第51話 出たよ3

 あのスマホにうつる影。

 あれは、巨大なバナナに違いない。

 バナナ一年分だ!

 当分食いはぐれないぞ。


「あ、バナナが! バナナが流れてしまう。トルネードの中央だと思ったのにな」


 すいっすい……。


「あーちゅわちゅわちゅわ! そっちへ行くなりよ……! 待ってよ、バナナん、急いで泳ぐから!」


 すいっすっすい……。


「あー、バナナがとろっとろになってしまう! ん? それも旨いか」

 それからセクシー・ド・ヨンゲーンは竜巻を泳ぎ続けた。

「せ、せめて、腹減ったなり。とろけバナナを食べたい」

 食い意地豚っちめ。


 <バナナ転生とろけバナナが、現れた>


 とろけバナナ―――――

 体力      1

 魔力      1

 攻撃力     1

 味   〇室御用達   

 ―――――とろけバナナ


 SDY――――――――

 体力    200

 魔力    345

 攻撃力   888

 味     生禁止

 ――――――――SDY

 ※SDYとは、セクシー・ド・ヨンゲーンのバトル名である。

 

「旨い。旨い……。こんなに美味しいバトルは初めてだ!」


 当初の目的を忘れた赤ずきんを被った豚は、トルネードに巻かれて一年間とろけバナナを満喫した。


「あはーん。お花がきれーい」


 特殊な環境にあり、とろけバナナでお腹は壊さなかったが、頭にお花畑ができてしまった。


 後に町に落ちて、花畑ダンチで可愛い家政婦豚となった。


「バナナやっとけば働くんだ、この豚」


 町の有名な豚として、火山観光のお手伝いもした。

 ひょっとこのところでも、温泉卵売りのTSぶひちゃんとしてせっせと働いた。


 ――乙女はどうした!






そんなバナナん♪

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