第39話 漢は寡黙

 この成金野郎はぺちゃくちゃと煩い。

 魔法で黙らせるか。


 Ψ eramaderamad

 Ψ esukanukoyutubinediut


「この地図をただでやろう」

「お? 人はそんなに変わるものか? 何か欲しいものはないのか」

 自分の魔法なのだから、半信半疑になる必要はないだろう。

 まあ、念のため。


「欲しいって……。この酒場は、裏で商売をやっているようなところ。十分、女で稼がせて貰っている」

 成金野郎はそんなことで金金キラキラになっていたのか。


「地図をただで貰っては、泥棒のようだ。セクシー・ド・ヨンゲーンは、漢である。それは、勘弁していただきたい」

 この地の地面から、つむじ風が砂を舞わせた。


「いい話を引き受けてくれたならと条件を付けくわえようか」

 先ほどとは違い、目の色が違う。

 まあ。この魔法で、うまく更生しろよ。


「まあ、ただでは、漢がすたるな」


「若いころ、チキンレースが好きでな。よく西の岸壁に向かって仲間やそこいらの者と遊んでいたのだが……」

「どうした。顔色が悪いぞ」


「その……。セイレーンが現れて、族になってしまったのだ。これだけは後悔している。なんとかならないか。町長にもおふれを頼んである」

「分かった、今すぐ行こう」


 >進め<


 □ ああ、セイレーン。

   第41話へ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884257919

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