第37話 スマホと旅立ち

 背中に風呂敷。

 「四元豚ちゃんへ」と書いた手紙、五日分のごはんであるドッグフード、それに乙女のスマホ。

 持ち物は再確認した。


 乙女の家に名残がある。

 ふと、飛び出した足を止め、振り向いた。


 カスミソウのような笑顔。

 爽やかな湯上りの髪。

 本を読んでくれたりして、遊んでくれた。

 よく頭をなでてくれた。

 皆、皆、大切な乙女の想い出。


 何故かあそこに想い出がある気がする。

 登ってみよう。


 ふー。

 爽やかだな……。

 これは土手道ですね。

 この川の名前は、何だったかな?

 これから、日の出か。

 乙女に見せたかったな。


 スマホって電話だろう?

 忘れ去られがちだけどさ。

 乙女につながらないかな?


 ぴぎー!

 根気がいるよ。

 四元豚的にスマホは扱いづらい。

 ぶひっと手が……。

 ぶぶぶっと足が……。

 豚足は短足とか考えたのは誰だよ?


 確か、振るといいとか聞いたな。

 シェイク!

 ぶるぶるぶるぶひぶひぶひ……。


 >進め<


 □ 日の出が奇跡を起こす。

   第42話へ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884261226

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る