オーセンティックSM

 この前、行き付けのSMバーでこんな方が……。

「鞭とか蝋燭などの定番の行為は嫌いなんです」

 ほぅ……と思いました。定番ってなに? これが私の意見でした。

 SMに定番などありません。イメージだけで決めつけては勿体ないです。嗜好なので否定はしませんでしたが……。これは切り口が難しいでしょう。


  鞭は語ったので、よくある蝋燭いってみますか。通常使われるのは、低温蝋燭といって、せいぜい50度くらいのものです。これがまた、非常に使いどころが難しい道具なのです。普通に垂らしても「?」となるだけです。

 コツは、相手が水ですら熱いと言うくらい、完璧に入り込んでいるときですね。それを見抜くのが責め手の腕です。洞察力は必須です。

 見た目が派手で好む人も多いのですが、アートを作るつもりでなければ、気をつけましょう。一気に「抜けて」しまう危険があります。


 蝋燭を使った時に、必ずつきまとうのが「片付け」。あっちゃこっちゃに落ちて固まった蝋の回収作業が待っています。

 少しでも楽にするために、雰囲気はイマイチになってしまいますが、レジャーシート(ブルーシートでも可)を敷いてその上でやるケースが多いですが、まあ、それでも飛び散ること飛び散ること……。この片付け作業にわびさびを感じるようになったら、もうエキスパートですね(笑)


 さて、低温蝋燭ではタダのパラフィン・パックになってしまう強者もいます。そういう場合に備えて、より強力な兵器があります。通称「カメヤマ」と呼ばれる仏壇蝋燭です。コイツはなかなか効きます。肌に当たった瞬間、熱さではなく痺れたような痛みが走ります(個人差があります)。これを局所にたらされると、ヒャッホウ!!となります(笑) 喜んでどうするんでしょうね。本当に……。まあ、バーの盛り上げにはなるでしょう。本気ではないのでこんなもんです。

 ちなみに、個人的に最強に熱いのは、よくケーキなんかに付いてくるファンシーな細いヤツ。あれ、マジで熱いですぜ。暇でしたら、ちょっと試してみて下さい。熱いのではなく、ひたすら痛いのです。私はあれ以上は、バーナーで焼かれたときくらいしか知りません。


 とまあ、いかにもな行為であっても、捨てたものではありません。毛嫌いしないで下さい。SMのテンプレではありますが、テンプレだからこそ真面目にやると面白いのです。本当の意味でのSMではありませんが、忘年会の隠し芸に使うといいかもしれません。どん引きされても、私は責任を取りませんけれど(笑)

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