堅苦しい緊縛の世界

 さて、緊縛いってみましょうか。

 

 簡単に言えば、人の体を縛って動けなくする事ですが、これがまた様々な流派があって大変なのです。私も嗜む程度には出来ますが、どの流派にも属しておりません。面倒なので……。


 簡単に人の体を縛ると言っても危険な事は山ほどありますし、絶対に把握しておかないといけないポイントも星の数ほどあります。

 それを知らずに、後遺症を残してしまう人があまりにも多い。相手は荷物ではないのです。神経も血管もある人間なのです。

 私はSMと緊縛はわけて考えています。もちろん、その気になったのならやってもいいとは思いますが、緊縛の世界はアートに近いのでなんか違うなと。


 緊縛に使われるのは、主に綿ロープか麻縄ですが、綿ロープは伸縮するうえに滑るのでお勧めしません。見た目だけ緊縛? ならいいですが、本格的な緊縛には麻縄を使うのがお勧めです。

 縄屋さんもあるのですが、とても高価なので基本的に自分で作ります。ああ、縄から作るわけではありませんよ。縄を安価で買ってきて、せっせと自分で使いやすいように鞣すのです。買ったばかりの縄はそのままでは使い物になりません。

 この作業は人それぞれ。私式は企業秘密なので書けませんが、最低限の処理だけを丁寧にして、実際に使う事でどんどんいい縄になっていきます。最高の状態になった時に寿命になるのはお約束です。なかなかままなりません。

 ちなみに、基本的には七メートルで一本とします。真ん中で折って二本にして使うので、実質的には三メートル半。時々規格外もありますが、長くても短くても恐ろしく使いにくいです。誰が考えたかしれませんが、絶妙な長さです。


 さて、最近は「緊縛されたい女子」が多いのですが、いざ縛る時は絶対にハサミを用意する事!! 想定外の事は常に起こる可能性があります。もし、想定外の事が起きたら……迷わず切断です。「お高いんでしょ?」ではありません。人の命が掛かっているのです。これが出来ない肝っ玉の小さい人は、そもそも緊縛などしない方がいいです。何度もあわやを見ております。もう一度言います。事故ったら迷わず切れです。

 

 あと、縛ったら常にモニタリングすることも大事です。グラウンドといって床でやっている時もそうですが、吊った時はより一層気を付けて下さい。本当に事故が多いです。中には、縛るだけ縛ってどっかに行ってしまう阿呆がいますが、言語道断です。あんたが縛ったならあんたが責任を持つ。当たり前の事が出来ないなら、緊縛もどきなどやる資格はありません。


 色々気を付けなければならないといけない緊縛。

 その手の店では、縛れるぜ!! だけで女の子が寄ってきますが、エロ心満載でやらない事。これが大事です。麻痺を残したら責任取れます? 三日はまともに動きませんぜ?

 縛られる方もリスクがあることを決して忘れないで下さい。鼻の下が伸びているオッチャンはヤバいです。縛りたいんじゃなくて、モテたいだけですから。

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