A-21843731████████.mp4
CONFIDENTIAL
本ドキュメントはUNIT: JP-230██ が2016-0█-█3T██:42に収録した音声データA-21843731████████に基づき、機械的に電子テキスト化されました。
UNIT: JP-230██は、OP: JP-4829██████に基づき、前泊地の神奈川県██市から兵庫県██市への移動において情報収集業務を遂行しました(指定された経路:新横浜、近鉄名古屋、大阪難波)。
環境音:(改札方面行き、上りエスカレータです……)
p001:「新横浜ってさ、あのなにもない方の口で降りてみたくならない?」
p002:「なにもないって……
帆風:「だってほんとに何もないじゃん」
SYS : [p001に関連する固有名詞を検出しました。以後対象を 帆風 と呼称します]
p003:「たしかに横浜線のホームと新幹線の改札じゃ世界観ちがうよねー」
p002:「
灯 :「でも、そこがいいとも言えるよね。この、橋を渡った先の都会ぽさが、別世界っていうか」
SYS : [p003に関連する固有名詞を検出しました。以後対象を 灯 と呼称します]
p002:「お前ら、新横浜民に謝れ」
帆風:「じゃあ、まずは物資を調達すっか」
p002:「帆風は人の話を聞け」
帆風:「
SYS : [p002に関連する固有名詞を検出しました。以後対象を 桐果 と呼称します]
灯 :「何買うんだっけ?」
桐果:「とりあえずは飲み物と非常食の補給かな。昼はどうする?」
灯 :「名古屋に着いてからでいいんじゃないかな」
帆風:「改札は出ないとだめか。新横浜のエキナカしょぼいからなあ」
灯 :「新幹線のエキナカってどこも微妙じゃない?」
桐果:「品川とか上野のはすごいよねー。あの中で暮らせそう」
帆風:「『ターミナル』かっ!」
灯 :「何? それ」
桐果:「そういう映画があるの」
灯 :「ふーん」
桐果:「Amazon Primeに入ってるから今度見よう」
帆風:「HDMIつなげられるテレビがあるとこでね」
環境音:(♪Suicaのタッチ音)
桐果:「さて、いつものドラッグストアでいいかな」
帆風:「エスカレータ降りるだけってのが最強すぎるよなー。他へ行く気なくなる」
灯 :「あそこすごく儲かってそうだよね。出張のサラリーマンとかどんどん来るし」
帆風:「あんまり多すぎてここに住んでるんじゃないのにもう顔なじみだよ、なんて人とかいたりして」
桐果:「普通にここから通勤してる人もいるんだから、区別できないだろ」
帆風:「それに、私たちも似たようなもんっしょ」
灯 :「確かに」
桐果:「みんな飲み物何にした?」
灯 :「私はウーロン茶」
帆風:「ジャスミン茶」
桐果:「わたしジャスミン茶って苦手だな。なんかスーッっとする感じがお茶っぽくなくて」
帆風:「あのお茶っぽくなさが楽しいんじゃん。『世界のキッチンから』のやつは最近全然売ってないし」
桐果:「あれが好き? よく……わからない……」
灯 :「確かに便利なんだけどさ、それでもカロリーメイトばっかなのはどうなの」
帆風:「野菜ジュースと一緒に買ってるし、それにときどきはソイジョイとかも買ってるじゃん」
桐果:「いや、そういう話ではないだろう」
帆風:「でも菓子パンばっかり食べるのよりは確実にマシじゃない?」
灯 :「あー、ああいうのって引くくらいカロリー高いやつあるよね」
帆風:「ローズネットクッキーとか」
桐果:「あのドーナツみたいなやつね」
帆風:「あれパクパク食べてた頃が信じられない」
灯 :「老いを感じる」
帆風:「このはなしはやめよう」
環境音:(♪視覚障害者用の誘導チャイム)
灯 :「あっ、わたし本屋寄りたい」
帆風:「駅の外出たすぐになかったっけ」
灯 :「……あった気がする。じゃあそこでいっか」
帆風:「たしかこのあたりだったような」
灯 :「あれ? ここじゃなかったっけ!?」
帆風:「あー、閉店だって。サイトに載ってる」
灯 :「そんなあ」
桐果:「本屋なら駅の上の方にあったと思うけど、行く?」
灯 :「……いい。もうあんまり時間ないし」
桐果:「確かに、思ったより余裕ないか。急ごう」
桐果:「もう買い忘れはないよね。――よし、じゃあ改札通ろう」
帆風:「もしあってもどうせすぐ名古屋っしょ」
環境音:(新幹線をご利用いただきまして、ありがとうございます。まもなく一番線に……)
灯 :「この列車でいいんだっけ」
桐果:「OK、あってる」
桐果:「新横はどんどん列車が来るからどれに乗ればいいか一瞬わからなくなるよね」
帆風:「来る列車だいたいのぞみだし」
灯 :「新大阪までだったらどれに乗っても着いちゃうしねえ」
桐果:「しっかしこんなにたくさん列車走らせてどの列車にもそれなりに人が乗ってるんだからすごいよね」
帆風:「浜松で東海道線待ってるとき、あののぞみに乗り込みたい、なんてどれだけ思ったことか」
灯 :「普通列車よりも明らかに通過するのぞみのほうが多いもんね」
桐果:「クレイジーだ」
環境音:(♪ホームドア動作時のメロディ)
灯 :「何番だっけ」
桐果:「14のABC」
帆風:「じゃあ私窓側座っていい!?」
桐果:「はいはい、どうぞどうぞ」
帆風:「悪いねー。よいしょっと。さて、ACアダプターは」
桐果:「本人より持ってるものの方が体力持たないんだものな」
灯 :「もっと持ち歩き向きのやつ使ったら? わたしのなんて充電しなくても丸一日使っていられるよ」
帆風:「えー、やだよ。動作遅いやつ使ってるとイライラするんだよね」
桐果:「そこまで言えれば一流だね」
環境音:(♪新幹線アナウンスのメロディ)
環境音:(新幹線をご利用いただきまして、ありがとうございます……)
灯 :「そういえば桐果は通路側好きだよね」
桐果:「うーん、なんか身動きが取れない状況って嫌いで」
灯 :「えー、じゃあ満員電車とかは?」
桐果:「無理。もう二度と味わいたくない」
灯 :「まあそこはこの仕事のいいところかもね。決まった時間に通勤とかないし」
桐果:「それでも時々やらされるんだけどね」
帆風:「出た、理不尽なルート指定。あれなんなんだろうね」
桐果:「ほんと勘弁して欲しいんだけど」
環境音:(ビール、おつまみ、お弁当、ホットコーヒー、アイスクリームは……)
灯 :「あー、やっぱり本を買っとけばよかったかなー」
桐果:「灯はあんまり電子書籍使わないよね」
灯 :「全然使わないってわけじゃないよ? でも、気合い入れて読みたいって本はやっぱり紙がいいかな」
帆風:「そんなもんかね。私は、論文なんていちいちプリントしてたらキリがなかったから、こっちで慣れちゃったけど」
灯 :「わたしにはそういう機会なかったなー。こう見えても、学生時代は図書館の虫で通してたんだから」
桐果:「それ、誇らしげに言うこと?」
灯 :「えっ、そうじゃないの!?」
帆風:「まあでもいいよね図書館」
灯 :「でしょう?」
帆風:「講義の隙間時間に寝るのにサイコーでさ」
灯 :「……」
灯 :「……ふたりとも寝ちゃった」
灯 :「あー、もう。本当に本買っておけばよかった」
灯 :「しかたない、電子書籍を出そう」
灯 :「たしかにこっちはこっちでセールで買い込んだ本がたくさんあるんだけど」
灯 :「たかだか一時間だから、短い文庫を読もう」
灯 :「長い本を読むにはやっぱり長いローカル線に限るなあ」
灯 :「それか一日喫茶店に篭ってるか、か」
環境音:(数十分間、ページを繰る音が続く)
環境音:(♪新幹線アナウンスのメロディ)
環境音:(まもなく、名古屋です……)
灯 :「ほら、ふたりとも。もうすぐ着くよ」
帆風:「んあ、もう着いたの」
桐果:「はー、寝ちゃったか―」
灯 :「ふたりとも新横出たらすぐだよ」
帆風:「ゲッ、雨降ってる」
灯 :「掛川過ぎたあたりから降り始めたかな」
帆風:「うえー、濡れるのやだなー。なんば着くまでに止んでればいいけど」
桐果:「えっとじゃあ、名古屋についたら」
灯 :「今度こそ本屋!」
桐果:「はいはい、ええと、名古屋の駅前にはジュンク堂があるんだっけ」
帆風:「でも雨降ってるんだよな」
灯 :「地下街から行けなかったっけ」
桐果:「……行けたような気もする」
帆風:「さすがに今回は栄まで出る気にはなれないしなあ」
桐果:「じゃあそこで。でもその前に昼にしない?」
帆風:「賛成」
灯 :「わたしも」
帆風:「じゃあ、まずは食べる場所探しますか」
桐果:「忘れ物ない?」
灯 :「……大丈夫みたい」
桐果:「よし、じゃあ行こう」
環境音:(♪N700系のドアチャイム)
1. 記載内容の誤りが重大なリスクとなりうる場合、原本を確認すること。
2. 本ドキュメントに含まれている情報の一部は、管理規定3.1.3-5:20██に基づき削除された。当該部分の開示には、10 日以内に発行された所属部署の権限クラスC 以上の管理者の有効な承認が必要となる。
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