第54話 異変からのパラダイス

ねぇちゃんのお腹がぱんぱんになってしばらくしたある日、お腹が痛そうになった。

最初はそうでもなさそうだったけど、だんだん、痛いときは動かなくなった。


そして、荷物を持ってどこかに行ってしまった。



おれはなんだかめちゃくちゃ心細くなった。



痛そうなのに、どこかに出かけるって、どういうこと?

ねぇちゃんはどうして出て行ったんだ?



寝ぐらの中でじっとしてたら、にいちゃんが帰ってきて、おれもいっしょに車で出かけた。



なぁ、ねぇちゃんいなくなっちゃったけど、大丈夫なのか?


「シロ、少しの間我慢してくれなー。ねぇちゃんは今頑張ってて、2週間くらい忙しくなるんだ。その間、シロが元気で過ごしててくれたら俺たちも助かるよ」


そんな……。おれどこかに行くのか?

やだなぁ。ねぇちゃんもいなくなって、おれもどこかに行くの、やだなぁ。


「シロ、少しの間だからな。また迎えにくるから」



そうして着いたのは、





いつもの動物病院だった。




「すみません急で。長い期間ですがよろしくお願いします」

「いえいえこういう時は助け合いですから。シロ、長いお泊まりだけど、よろしくね」



いやっふぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!



「シ、シロ……?」



先生はどこ? トモダチはどこ? はやくはやくぅぅぅぅぅ!!!!

あそぼうぜぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!

いぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!!!!!



「う、嬉しすぎて暴れてる……」



にいちゃんはその時俺ちょっと寂しくなったと、後に語っている。

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