第3話 雨


俺は窓から外を眺めることはできない。


だからニオイで感じとる。



湿った風。


滲む土。


震える草花。



今日は雨だ。

ねぇちゃんが、ガサガサしたふくろを俺にかぶせる。


いやだぞねぇちゃん。これ暑いぞ。

耳元でガサガサうるさいぞ。


「レインコート似合うよ!シロ!」


いいからぬがせろねぇちゃん。おい首に紐をつけるな。



なぁねぇちゃん。

俺はきれい好きなんだ。

こういう日は足が汚れるんだぞ。


ねぇちゃんはいいぞ、なんか履いてるから。

俺素足だぞ。ねぇちゃん雨の日素足で外出るか?出ないだろ。俺もだ。


近所の田吾作は雨でも散歩するからって、俺も同じだと思うなよ。


"カワイイ"だからって一緒にするんじゃない。



なぁねぇちゃん聞いてくれ。歩くの速いぞ。俺動きづらいんだぞ。


ガチャ。外に出る。



めっちゃ降ってる………。

やだ!俺いかないぞ!!


「シロ、何踏ん張ってるの?行くよ!」



ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!

いやだぁぁぁぁぁああああ!!!!!





あああああ…………

足が……気持ちわるぅい(泣)





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