光に伝える

「お前にも安らぎが訪れる。その時まで、どうか安らかに眠ってくれ」

『……』

 光は静かに輝き、そして消えた。

 こうして、何人もの光を見つけては、その光に伝えていった。もうすぐ楽になれるのだという事。

 そして、この闇の世界で怯えて存在することもなくなるのだと。何百何千、何万の彼ら彼女のら光が、私を取り囲む。

 その光達は一つの大きな丸い光となり、私をついにホシの外へ続く場所へと導いた。


「ホシ」

「……ええ」

 私は言った。

「これで終わりだ」

 そう伝えると、ホシの心の光が私の身から離れ、そして光の集まりへと溶け込み、光の扉を作り出して私を迎え入れた。

「ここは……」

 崖の上にいた。どこかは分からない。薄暗い、そして少し冷える。そこがホシの外の世界であることは、すぐに振り返って分かった。

 ナイフを構えたホシが私を観ている。

「……グゥ……」

 しかし、ホシはナイフを落として泣き始める。私はホシに近寄り、抱きかかえ、そして言う。

「これで終わりだ」

 ホシは静かに泣いていた。そう時間も経たずに、朝日の光であろうものが私達を包んでいた。

「……」

 ホシと私は、そのままお互いを存在させる力を失い、砂の様に崩れて消えた。

 やっと解放される最中、私は自分とホシの影を観ていた。


 私とホシは影の跡を残し、そのまま永久の眠りについた。

 長きに渡る苦しみを、二人で分かち合いながら、この世から去った。


 DarkJoe-Episode END-

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DarkJoe-Episode END- 星野フレム @flemstory

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