記憶を辿る
彼女は夜道を一人で歩いていた。そこでホシに遭遇し、殺された。
「どこ? ここ……」
私は声を掛けたことを今でも覚えている。
「ようこそ、闇の世界へ」
「!」
驚き青ざめた表情で私を見る彼女は、ただただ怯えていた。
「……誰?」
「私の名はアーク。ここは闇の心を測る場所だ」
そう伝えた。そう伝えれば、自分がどうしてここに来たかを一瞬でも忘れることが出来るだろう。そう思ったからだ。
「お前の名は何だ」
「……」
答えない彼女に私は何も言わずに待った。ようやく彼女が答える。
「ナンシー」
「そうか。ではナンシー、一問目の問いだ」
「?」
彼女は私の問いに対して、酷く怖がりながら答えた。そして、ナンシーは問いの答えを間違えた。
「ようこそ! 闇の世界へ! ここはお前を歓迎するだろう!」
そう高らかに喋る私を観て、ナンシーは自分がもう戻れないと悟る。
涙を浮かべながらナンシーは言った。
「死にたくない」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます