個人的に照井竜の「変身」が1番好き
建物の陰に隠れて機動隊の目を欺きながら、怪人が起こしているであろう破壊音を頼りに進む
そしてたどり着いた、怪人のいる広場に。
今まで怪人はテレビのニュースや
禍々しい身体、恐ろしげな顔。
動画や写真では絶対に感じられないであろう、リアリティを醸し出していた。
また、あの怪人が破壊したであろう建物の残骸や瓦礫が、やつの物恐ろしさを引き立たせていた。
ふと我に返った
彼女は怪人の観察をしに来たのではない。ここに
「……!」
そして彼女は見つけた。自分の恋人を。正確には元恋人になる予定の男を。
彼はゆっくりと物陰から現れ、怪人と対峙する。
こんなに近づいていたら、とても危険で他人が見れば心配するところなのだが……。
「(
懸念よりも憤怒の方が彼女の心を支配していた。そのせいで彼の腕の包帯が無くなっていることにもすぐには気付かなかった。
彼が取り出したのはカメラには似ても似つかない、奇妙な機械だった。白をベースにしたカラーリングで、側面に赤と青のボタンが付いている。よく見ると書道用の筆に酷似した飾りがあった。
「まったく、こんな時まで……。これじゃあ、あいつに愛想付かされても仕方ないな」
そう呟きながら
「変、身!!」
力強くそう言いながら、
――トメル! ハネル! ハラウ! レッツ、カキトリ!!――
機械から軽快な音楽を音声が流れると同時に、どこからともなく現れた無数のメカが
そしてメカ達は合体し、まるでヒーローが着るようなアーマースーツになった。
いや、まるで、ではない。
あの装甲に
以前、テレビのニュースで見たことがあった。
青で着色された和風チックなデザインの装甲。
あれは正真正銘、この町を怪人の魔の手から守っていた、ヒーローの姿だ。
「え、なんで
今目の前で起こった現象に、乃々の脳は追いついていなかった。
なんとか冷静に判断して、彼女は1つの結論に至った。
「ヒーローの正体は、
結論から言えば、そのとおりだ。
フォトグラファー
「まだ全快じゃないが、この後好きなやつと約束があるのでね。速攻で決めさせてもらう!」
装甲を身に纏ったヒーロー
彼は右腕で殴り、脚で蹴りを喰らわせたり、敵にダメージを与えていく。
撮影というのも、
それに気付いた
自分はなんて身勝手なのだろうと、絶望した。
「(
いや、理解しているつもりだった。
だが結局のところ、彼氏のことを何も分かっていなかったのだ。
「来い、
ヒーローがそう叫ぶと、どこからともなくメイス……頭部が4方向に尖っている棍棒のような鈍器が現れ、
棍棒の頭部が敵に衝突するたびに、ドゴっドゴっと鈍い音が鳴り響く。
重い打撃を喰らって、怪人の足取りがふらついている。
その隙を、ヒーローは見逃さなかった。
「トドメだ!」
――テンサク、フィニッシュ!!――
再びベルトから軽快な音声が発せられると、
「必殺、キーボンバー!!」
轟音と共に鈍器が怪人に命中する。
怪人の身体が爆発する。
怪人のいた場所からメラメラと炎が燃え上がる。
「ふぅ、
「
今までずっと物陰から覗いていた
彼女の姿を見た
「私、
「そんなことよりなんでここにお前が――」
その時だった。燃え上がる炎の中からさっきの怪人が現れた。まだ完全に大破してなかったようだ。
「っ!!
慌てて
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
登場人物情報が更新されました
・
19歳。女性
ミスコンで銅賞を貰えるほどの容姿を持つ。
彼氏持ち。
好きなライダーは、仮面ライダー電王(超クライマックスフォーム)
・
19歳。男性
左腕を負傷中。
写真家はフェイクで、その正体は町を守るヒーロー。
好きなライダーは、仮面ライダーディケイド(通常形態)。
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