第6話 『拷問』の果に
僕はまず、目隠しされただけだ。
だが僕はしっていた。
何も見えない辛さが。
自由に動けない辛さが。
何も聞こえない辛さが。
だが最後のは少し間違っているな。
別に何も聞こえない訳では無い。
隣の部屋から女の子が泣き叫ぶ声が...
いつ自分かああなるか分からないと言う怖さがある。
僕はどこまでも愚かで怠惰で傲慢な人間だ。
もし仮に僕には二つの才能があったとしよう。
集団プレーのサッカー。
シングルのテニス。
僕は間違いなくテニスを選ぶだろう。
なぜなら怖いからだ協力?そんなのクソくらいだ。失敗したらどうする?皆から責められる。そんなの嫌だ。
だから僕は集団ではなく1人の道を選ぶ。
要するに相手が責任を感じてるのは嫌なんだ。
サッカーで相手が責められるならまず僕はそんなの見ていられない。確実に役割を変わろうとするであろう。
僕は周りの状況に何も言わずただ黙ってるだけの状態が嫌だ。気持ち悪くなる。
だから僕は前世で革命を起こした。やる気のある奴が上に上がれる世界を作ろうとした。
戦争が終わったら僕の給料で貧民街に学校を作ろうとした。
僕は『学問のすゝめ』を完璧にしたかったのだ。せめて、せめて生まれる時くらいは平等でありたい。そう願っていた。
無能な奴が上に立つそんなのこの世の中を悪くする一方だ。変えたい。
僕は悩んでる人をすべて変えたい。
ただ黙ってるだけなんてできない。
だけど今僕はまさに『無能』と呼ばれ、隣にいる女の子のことを何も変えてあげることが出来ない。
嫌だそんなのただ指をくわえて待ってるだけなんて。
──なのに。なのに。なのに。なのに。なのに。なのに。なのに。なのに。なのに。なのに。なのになのになのになのになのに──
僕は何もできない。視界も見えない身動きも出来ない。もう1日目から精神は限界だ。
「うふふっ。さぁ坊や拷問の時間よ。」
その後一時間、鞭で教育され、罵られ、蹴られたり殴られたり、火で炙られ言われるがままに言うことを聞いてご飯をもらった。
本当の僕はこんな事されたらまず自害するであろうな。だけど今は、今だけは無理だ。
隣で女の子が泣き叫び犯される。もし仮に僕が女だったとしたら。どうだろうか?今頃は想像できないくらい酷いことをされていただろうな。
なのにその女の子は必死に生きている。
毎日泣き叫び地獄より辛い地獄を見ている。
なのに必死に生きようと頑張っている。
僕だけが死ぬ?それは彼女の強い生き方に対しての冒涜だ。
だから俺は待った必死に革命の時を待った。
でも待つだけじゃあ革命なんて絶対に起きない。
でも日に日に泣き叫ぶ声が強くなってるのを聞いていると薬漬けにされているんだろうな。
だから僕は一つの可能性に掛けることにした。
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