第3話 『ぼくのじゆうけんきゅう』

『ぼくのじゆうけんきゅう』


2年2組 尾根しょん太


ぼくが、なつ休みのじゆうけんきゅうを何にしたか、いまから書こうと思います。


それは、あついなつの日でした。

ぼくがアイスをペロペロとなめていると、アイスがとけてズルリと落ちました。

とけたアイスはじめんにおちてとけて水になりました。

そうだ。こおりのとけかたのけんきゅうをしよう! と思いました。

でもそれは、きょねんもそのまえの年もやったので、やっぱりやめました。


でも、アイスのぼうを見ると、『当たり もういっぽん』と書かれていたので、コンビニへ行きました。

行ったじかんはあさのこんざつするじかんだったので、お店のひとはめんどくさそうにしていました。

そうだ。コンビニではたらく人のきげんを、じかんべつにかんさつしてみよう! と思いました。

でも、おもいっきりいやなかおをされたので、やめました。


そうこうしているうちにときはたち、なつやすみもちゅうばん。

こういうのって、いんこうやのごとし、っていうんですかね。


まいにちをいきがいもなくダラダラとすごしていると、お母さんがこう言いました。

「セミのあじつけをかえて食べてみてはどう?」

そうわらいいながら言いました。お母さんのわらいごえは、「モケケ、モケケ」ときこえます。

でも、それはナイスアイデアかもしれない。まさに天の声バンク。やらなきゃハドソンってかんじです。


それからぼくは、いっしんふらんに、セミをつかまえました。

ついでにセミのぬけがらも500こぐらいあつめました。

セミのあじつけは、しおコショウ、かんろに、とんこつしょうゆ、あっさりきたかたふうにしてみました。

いちばんおいしかったのは、とんこつしょうゆでした。


それからのぼくは、虫のあじにめざめました。

バッタやカマキリ、トンボやチョウなども食べてみました。

つきつめると、いちばんおいしいたべかたは、生でしょうゆをかけることでした。

すると、お母さんは、「それってツウだね。モケケ、モケケ」、とわらっていました。


そういえば、セミのいっしょうってなん年かしっていますか?

つうせつによると7年といわれていますが、じっさいにはもっとみじかいようです。

2年ほどで出てくるセミもいるようです。たった2年で外へでて、10日でしんでしまう。

なんて、みじかいじんせいなんだろうと、思っていませんか?

そんなこことはありません。セミにとっては2年でも、外にでて10日でも、じゅうぶんにたのしいじんせいなのです。しそんを作るためにはそれでじゅうぶんなのです。

それを、おろかなしゃくどではかるとは、にんげんは、なんともおこがましいせいぶつなんだなぁと思います。


じんせいとは、じかんとは、そうたいてきにくらべるものではなく、ぜったいてきに、じしんのじゅうじつかんをだいじにすることが、すばらしいじんせいといえるのです。ぼくたちも、もっとセミをみならうべきです。


そんなこんなで、ぼくも今ちちゅうにいます。

なぜかというと、セミをいっぱいたべて、セミのたまごをたいないにとりこんだからです。

だから、ぼくはもう、セミとおなじようちゅうになれました。

かれこれ5年はたちました。そろそろ出ようかと思いますが、もうすこしここにいます。

だって、まだおとなになって、空をとべるようにはなっていないからです。

早くでたいなぁ。そうすれば、お空のむこうにいる、お母さんにもあえるのにね。


                                 おわり


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