第2話 『わたしのどくしょかんそうぶん』

『わたしのどくしょかんそうぶん』


5年3組 浮未まほ


私が夏休みに読んだ本は、『我が闘争』というタイトルです。

ちょっとむずかしい本で、外国のある有名な人が書いたのですが、なんとか理解できました。ファシズムとかユダヤ人とかの話はおいといて、私はこの人の何に好意をもったか書きます。


昔に日本にも来たことがあるようで、面白いことに、UFOの開発や、幽霊の研究もさせていたみたいです。私は、UFOとか幽霊とかの話がすごく好きで、いつもひとりで考え事をしてニヤニヤと笑ってしまいます。この前も、友達とコックリさんというゲームをしていたら、急に頭の中に誰かの声が聞こえてきたかと思うと、意識がなくなってしまいました。そのあと友達に、私がどうなったか聞いたら、みんな真っ青な顔をして逃げてしまいました。だから、どうなったかはわかりません。たぶん……たぶん……何でもありません。


はてさて。それで幽霊の話ですが、私のお母さんも幽霊が好きです。

この前、机の上でロウソクをつけて、大きなガラス玉に手をのせ、何かしゃべっていました。

「お母さん、何しているの?」 と話しかけたら、

「月光さまが逃げちゃうから、話しかけないで!」 と怒られました。

それを見たお父さんは、何も言わずに、飲み屋に行ってしまいました。

私も、その飲み屋に一度だけ連れて行ってもらった事がありましたが、お店の若い女の人の足をさわっていました。そして、お父さんは、今でも私の足をさわってきますし、お風呂をのぞいてきたりします。

やっぱり、お母さんが再婚したからでしょうか。先生、どう思いますか?


いけない。話しが家庭のじじょうに変わってしまった。閑話休題。


そんなこんなで幽霊の話しは終わりです。突然ですが、先生は好きな人っていますか?

この前、コックリさんをやって、好きな男子を当てるゲームをやりましたが、みんなはクラスの男子が好きなようでビックリしました。だって、女の子ってだいたい年上の男の人と結婚しますよね。それなのに、同級生のバカな男子が好きだなんて考えられません。それで私の番になって、紙の上の十円玉が、ある人の名前を当てるので、みんなキャーキャーいって騒いでいました。友達が、「ホントにこの人が好きなの?」、と聞いてきたので、私は、「うん!」と答えました。


その人の名前って誰だと思いますか? 先生にだけは教えてあげちゃおうかな。でも、やっぱりやめます。恥ずかしいから。でも、思いきって言っちゃおうかな? だって、いつも授業中に、私の顔をジッと見つめてくれる人だもん。先生、私の好きな人って誰かわかりますか?


私は、お父さんとお母さんがキライです。だから、早く家を出て生活したいです。早く好きな人と結婚して子供をうみたいです。だから心の準備はOK!です! この前も夢の中にヒトラーが出てきました。なんとヒゲをそっていたので私は笑ってしまいました。それに、夜中に空中遊泳した時に、あまりにも楽しくて自分の体にもどるのが遅くなってしまい、三途の川という場所まで流されそうになりました。気をつけねば。


でも最近はつまらないです。私が友達に話しかけようとすると、サッとどこかへ行ってしまいます。どうして?でも大丈夫ですよ。学校へ行って先生と話をしていれば、楽しくてウキウキしちゃいます!

あ~あ、早く大人になりたい。16歳ぐらいに。だって、そうすれば……なんてね?


いけない。読書感想文の話からぜんぜんちがってきている。話しをもとにもどさないと。

突然ですが、今気になるのは、右手の親指と人差し指の仲が悪いことと、『目玉』という漢字を見ると鼻血が止まらなくなる事です。それと、犬を見るとむしょうに蹴りたくなるし、小さなカニの足をポキポキと折りたくなってしまいます。この前の土曜日も、お母さんがお医者に連れてくと言うので、ガラス玉を割って逃げてきました。だから、しばらく家には帰っていません。今、住んでいるのは、インターネットで知り合った人のアパートです。なぜか、私と同じように帰る家がない女の子があと2人もいます。あまり元気がないようです。


さて。そろそろ、この文章も終わりにします。

最後に、どうか先生が、この作文を読んでくれる日がくることを祈っています。     おわり



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