夜の街に出会いを求める者たち
アラサーともなると「お前早く結婚しろよ」と、身内からも他人からも言われます。
そんな
これはそんな、出会いを求める男どもの奮闘の記録です。
街コンに、参加されたことはあるでしょうか?
飲屋街などでお店を貸切、出会いを求める男女がひしめき合う、大人の会合です。
一緒に行く予定だった奴がキャンセルしたから、一緒に行ってくれないかと誘われ、二年前ぐらいに、街コンというものに初参加して参りました。
とはいえ、街コンというものも、そういった男女の集まりに参加することも不慣れな私です。
真面目一辺倒に生きてきた私は(表現に虚偽が含まれます)、どのような服装をするものかと悩みました。
燕尾服かタキシードの二択でしたが、持っていなかったので無難な私服に致しました。←正解。
今回は、喫茶店の2階スペースを貸し切りで行われました。
多分サクラもいるのでしょうが、まだ街コンが流行っていた時期でしたので、男女ともに15組ほど集まっていました。基本二人ペアです。
女性が各テーブルに座り、五分くらい話をした後に、主催者からの合図で男性は席を移動します。
とても慌ただしいのです。街コン自体の時間は2時間にも満たない短いものなので、仕方がないのです。
さて、そうこう言っている間に、街コンは開催されました。
私と友人は、珍しく一人で来ている最初の参加者に声をかけました。
「こんばんわ」
「こ、こんばんわ」
まあまあ可愛らしく、少し控えめな様子でしたが、声が甘ったるい響きもあり、実は男性慣れしてそうな予感を感じました。
聞くところ、大学生のようです。
「どんな勉強してるの?」
「童話の研究です。童話のストーリーの裏側や時代背景について実はどういった影響があったのかなどについてでして……」
そこから、堰を切ったようなマシンガントーク。
踏みましたわースイッチ(失態)。
誰しも語りたくなってしまう地雷にも似たスイッチを持っているものですが、五分しかない中で、真正面から押してしまいました。
それからはうんとはいとなるほどを巧みに使い分けて、時間が終わりました。
彼女のことはわからなかったですが、童話が好きなことだけはわかりました(疲労)。
ひとつだけわかったのは、
「街コンとかよく参加するの?」
「いえ、最近彼氏にフラれて、寂しくて急遽参加に決めました」
その時はうん?って感じたのですが、今なら確信をもって言えます。
この方、やばい系だ!
いえ、ラインを交換し、何回かやりとりをしたのですが、頻繁にトップ画を変える(しかも必ず自分の写真)、会話では寂しいアピール、なぜかいっつもフラれるという言い回し。
うん。
典型的なかまってちゃんだこれ。
不思議系かまってちゃんっていうと、字面では可愛く思えるのかもしれませんが、ね。
ものすごく二次元的に言うならヤンデレタイプ。かまって系の。
あれは二次元の美少女がやるから可愛いんですからね?
彼女の部屋に訪れて、血だらけになっていたとか想像して見てください(友人の実体験)。
別れるくらいなら死ぬと、自殺企図で病院に運ばれてくる姿をご覧なさってください(実際に見ている)。
悲しいことに、意外と身近にいらっしゃるので、お気をつけを。
構ってしまうと、際限なくなります。
話が逸れましたが、そうそう街コンです。
一応18歳以上が参加可能だったのですが、19歳とかもいました。
その後の方々は普通に会話してラインを交換するという、当たり障りない流れでした。
その場のノリだけであれば、楽しかったです。
で、そのような短い出会いで、どうするのかと言いますと、街コンの効果が発揮されるのは、終わった後なのです。
その場のノリでライン交換はするので、後は自分たちで頑張るほかないのです。
で、何しろ二時間の間に二十人以上と話をするのです。
問題としては、
名前と顔が一致しない……(酒も飲んでます)。
短時間で五分しか話してないのに誰が誰だかわかるかい!
そんなこんなで、めんどくさがりやの私は、
一回二回ラインしてめんどくさくなり、出会った人たちと連絡をとらなくなるのでした。←だからモテない。
で、実は話はここで終わりません。
私は街コンに参加したことはただの思い出になっていたのですが、友人はそうではありませんでした。
今更友人の紹介です。
彼はピーターパンと呼ばれています。
二十代後半にもなり、ビッグになる、何かしらの分野で成功すると息巻き、フラフラと就職しつつもチャンスをうかがっているだけの、アダルトチルドレンなのです。
彼のすごいところは、専門学校時代、卒業を後二ヶ月に控えた状態で「なんか違うなあ」という理由で、学校を辞めるその純粋な度胸です。
親は泣いたそうです(そりゃそうだ)。
決して悪い子なわけではなく、いささか純粋で正直すぎるのです。
純粋すぎるから自分のことを嵐のニノに似ているってドヤ顔で言うのです。
さらに「俺、昭和64年生まれなんですよ」ってドヤ顔で言うのです。平然と昭和生まれと平成生まれの中でも俺は特別だとアピールをするのです。
いえ、別に苛立ったりはしていませんよ? ふ、ふ、ふ。
で、そんな純粋すぎる彼と数ヶ月後に再会したのですが、何やら元気がない様子でした。
「どうかしたん?」
「いや、俺は自分の失敗を胸に刻みつけているんだ。心配いらない」
こういうかまってちゃんモードの時は、もうひと押しです。
「心配だから、気になるなー(棒)」
「実はさ……」
ちょろーーーーーーーーーーーーーい。
で、話を聞くと、街コンの後にとある女性とラインを続けていて、うちに招かれたそうです。
ウキウキ気分で行ったところ、友人以外にも何人か呼ばれていて、ホームパーティの様式だったそうです。
「それで?」
「その集まりでさあ
新ビジネスを始めるから、その会員にならないかって?」
悪徳商法じゃねえか!
なんということでしょう。大事な友人?が悪の道に勧誘されかけたとは(友人から疑問をもつな)。
「大変だったな」
「大変だったのはその後でさ」
「というと?」
「会員になるための道具を買いに行こうとしたらさ、姉ちゃんに縁を切るぞって叱られた……」
あー。
ということは途中まで信じてたんかい!
素直、純粋!
真っ直ぐなことはとても人としての利点ではありますが、
自分の身は自分で守るために、警戒心は必要です。
甘い話には裏がある。ただより高いものはない。
それを肝に命じて、悪意も蔓延る世の中を、誇り高く生きていきましょう。
まあでも私も、
昔「アクセサリーに興味ありますかあ?」っていう甘い言葉に騙されて、強面のお兄さんにアクセサリーを買わされそうになりましたけどね(経験が生きる)。
それ以来、怪しい電話に頭おかしいアピールでのりきっています。
えーわかりませぇーんって対応した結果、電話先の方から「もうやだっ」って言われました。
微妙に傷つきました。
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