パーリナイッ

 この時期になると思い出すものはあれです。


 いきなり他人の家に押し入り、お菓子をくれといやしくもねだるあれです。お月見泥棒というやつです。


 そもそも、お月見泥棒でーすと名乗る泥棒って、泥棒としては失格でしょう。何をやっているのでしょうか(真に受けるな)。


 けれど、今となってはお月見泥棒は廃れているように感じます。


 私の住んでいる地域でも、一応はやっているんですよ。


 しかし、影が薄い原因は、今の日本社会に浸透しまくっている、アレのせいだと思います。


 お気づきでしょう。


 ハロウィンです。


 いえ、別に嫌いなわけではないのですよ。


 コスプレをしてお菓子をくれなきゃイタズラをするという、他者から物を奪い取るためのマイナスの二択を突きつける行事ですよね。なんでかぼちゃをくりぬいて顔を作るのかとか、ただ単にリア充が何かにかこつけて騒ぎ倒したいだけじゃねえかと思うだけです(めっちゃ僻んでるコイツ)。


 リア充爆発しろ。


 すいません取り乱しました。


 いつも通りクリーンな私(?)でお送り致しますよ。


 まあこれだけ一大行事ともなれば、流石に人生の中で触れざるを得ない場面があったのを思い出したので、今日はそんなお話です。


 少しマニアックで申し訳ないのですが、友人に誘われ、とあるテーマパークにハロウィンの時期に行ってきたのです。


 あそこです、銀行の略みたいなところ。


 そうそう。


 ユニバーサルスタジオジャパンです(超有名)。


 遊びに行く前日は、翌日のことを考えて、早く寝ないといけないですね。もちろんいい子の私は準備を終えて、早く寝ました。


 ええ、記憶では確か2時頃には眠れました(遅っ)。


 まあけれども、しっかりと間に合い、楽しめればいいのです。


 名古屋駅から新幹線で二時間足らずで大阪に着きます。7時台に待ち合わせをしていたので、うちからはほぼ始発になりますが、間に合わない時間ではありません。


 けたたましいアラームに誘われ、しかしまどろみは続く。そんな時もあるでしょう。まあでも五分くらいうとつくぐらいは問題はないのです。


 ふうスッキリした。


 それもそのはずです。


 時計に針は7時を指していたのですから(爆睡)。


 ええ。


 遅刻確定です。


 あああああああああああああああ。


 この件については、本当に申し訳ございませんでした。


 涙目になりながら遅れる旨と謝罪を織り交ぜた超長文でラインを送ったところ、返信がありました。


「急がなくていいから、ゆっくり気をつけて来てね。現地で待ってるから」





 ああダメ優しくしないで! こういう時は罵倒して!


 いや違うんです、Mとかじゃなく(Mとかじゃなく)、失敗を素直に叱られる方がなんかそれでチャラになるような気がして、少しでも罪悪感が癒されていく感じがするのです。


 実際罪は罪なのだとしても、免罪符を求めているのです。


 けどゲスな私に勿体無いくらいに優しい方々で、こういう時に優しさが痛いです。←優しくしてもらったのに文句言うクズ


 優しさに報いるため、ちょっぱやで着替えて、単独で特急電車に乗り継ぎました。一旦名古屋行くより特急で行った方が早いです。


 途中タバコを忘れたリーマンさんと、ライターを忘れた私が奇跡的に噛み合う出会いもあり(当時はまだタバコを吸ってました)、なんとかUSJに辿り着きました。


 待ってくれていた友人は、遅れた私を罵倒するどころか、心配すらしてくれました。


 本当に、すいませんでした(涙)。




 さて、せっかく遊びに来たのですから、沈んでばかりいるのではなく、楽しまなければいけません。


 この時の私たちは、自由にアトラクションを選ぶようなタイプではなく、決まった時間に特定のアトラクションに乗れるという、パックタイプを選びました。


 多少小金を得た社会人ともなると、時間を金で買うのです。ええ、経済を回すのが本当にうまいですあのアトラクション。


 見習いたいです。


 ハロウィン仕様になっているアトラクションを五つばかし体験するものだったと思います。


 エイリアンvsプレデターやバイオハザードは純粋に楽しいアトラクションでしたが、問題はチャッキーと13日の金曜日でした。


 上部の金網からガンガンと鉈を叩きつけられますし、写真撮影と称して集められたと思えば、ふっと明かりが消え、



 明るくなったら、一人の人が首を切り落とされていました。


 超怖い。


 13日の金曜日では、ロープを複数人で持って進んでいくというものなのですが、厳正なる審査の結果、最後尾は私でした。


 待って。


 待って。


 待てっつってんだろ!


 しかし遅れた負い目もあり、反論はないです。ああ。


 薄暗い廊下を一列に進んでいきます。


 13日の金曜日ということは、当然来ますあのチェーンソーを持ったアイツが。


 けたたましい金属音を鳴らしながら恐怖を煽るような白濁としたマスクでズンズンと近づいて来ます、背後から。


 つまり私の目の前(鳥肌)。


「ちょ来てる来てるやばいってはよいって」


 前のみんな。


 恐怖で耳を塞いでます。


 こっちみろやわいは怖いんじゃ(錯乱)。


 自分の意思で逃げられない状況って本当に恐怖です。


 危なかった、後一年若ければ漏らしていました(ギリ)。


 いい感じに恐怖を味わってぐったりとしていると、もう一つのメインイベントが開催されます。


 USJ内の至る所に、ゾンビが放たれます。


 楽しい雰囲気のテーマパークは一転として、ゾンビが溢れるリアルバイオハザードマップへと変貌します。


 ゾンビになるウィルスが氾濫し、町中にゾンビが流れ込んだというストーリーが流れ、ハロウィンの夜が始まります。


 五郎丸の集団やのび太の集団はまだいいです。中には、血まみれのナース服で闊歩するけしからん集団もいます。


 破廉恥な格好をしていることへの嫌悪感を感じ、一杯見ておきました(ん?)。


 けしからん(恍惚)。


 そして、ゾンビたちはただ街を練り歩くだけでなく、一般人を襲います。


 チェーンソーを激しく回転させて、恐怖を煽る機械音をうねらせ、道行く人に近づいて来ます。


 わかっていても少し怖くて、なんだかんだで大興奮です。


「うおおおすごいね。ねっ」


 友人に話しかけても返事なく、周りを見渡しても、見知った顔は誰もいませんでした。


 ははっ。


 遊園地でもボッチです(はぐれた)。


 ラインを確認すると、カップル人組は二人でゾンビゾーンをめぐり、もうカップルの二人は、この機に乗じてアトラクションに乗ってくるそうです。


 優しいのは間違いないのですが、本当に友達なのかな?


 まあ考えちゃ負けです。


 犯罪者を輸送していた車がゾンビにより襲われ、職員が襲われたというニュースが園内に響き渡り、ゾンビが闊歩するこの危機的状況、遠藤孝祐の運命やいかに。


「ストライク◯ショット!」


 モンス◯やりながらタバコ吸ってました。


 改めて文字に起こすと、クソ野郎感がすごいですね(俯瞰)。


 さてせっかくの機会なので一人で園内を散策しました。


 腹に穴の空いた巨大なゾンビや、男をひたすら刺し続けるゾンビは、きっと浮気か何かをしたんだなと感想を漏らし、チェーンソーゾンビに追いかけ回されました。


 そして所々で始まるゾンビダンスは圧巻でした。


 なんだかんだで、非日常な夜を楽しむことができました。


 楽しい体験や夢のような出来事に、物語の中では溢れています。


 ただ、時には現実に触れてみて、精一杯演出されたエンターテイメントに、小説を読むこと以上の感動が待っていることもあるのです。


 書を捨て街に出よ。


 ある意味では、真理なのかもしれません。


 機会があれば、また行きたいと思います。





 さて、私のハロウィンに対するアレルギーがわかっていただけたかと存じます。


 ハロウィンとか滅びろ←楽しんでた奴。


 ははっまあ、またハロウィンで一本書くかもですね(ハロウィンに迎合)。




 そういえば、キリストの生誕祭、イースターという行事が徐々に話題となりつつありますよね。


 某デラックスさんは言っていました。


「あたしたちがハロウィンに気付いた時には、もうどうすることもできなかった。イースターだけは絶対に阻止するぞ」


 ……


 イースターの反乱は絶対に阻止するぞ!(イースターアレルギー発症)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る