あなたは体験したことがあるか? リアル脱出ゲーム

 リアル脱出ゲームという題材のアトラクションがあります。


 与えられた情報と、展開していく物語の中からヒントを拾い、主にキーワードを抽出し、また次の謎を解いていくというものです。


 大体のものはそうだと思うのですが、まずは冊子を渡された上で、物語のムービーを見ます。


 この場所からの脱出、犯人探し、謎解き、そういったミステリ要素がふんだんに散りばめてあります。


 まだ初めての方も、安心してください。


 もちろん難しいものはしこたま難しいのですが、解いていくのは推理ももちろんですが、パズル的要素とひらめきです。


 ここの色と色って……


 あれこの形は?


 この解き方前にも見たような……


 なんて、頭を使いながら楽しめる、とてもエキサイティングな遊びです。


 そんなリアル脱出ゲームに、参加して参りました。


 内容はネタバレしてはいけないマナーですし、何よりも訴えられたり罰金が超怖いので(素直)そこには触れられませんが、そこそこ有名どころでやっておりました。


 六人一組なのに四人……ご安心下さい、足りない分は他の参加者と合同です。


 我々四人は、すでに二人のカップル(舌打ち)が座っているテーブルへと案内されました。


「よろしくお願いします」


 挨拶をされたらもちろん返さねばいけません。


「よろしくお願いしますね。こういったゲームには、けっこう参加されるんですか?」


 そういって話を広げることで、人の輪というものは広がるのです。


 雰囲気をよくするために、知らない方とはいえ、話し続けました。


 あっ、言い忘れました。


 話をしていたのは友人です(ん?)。


 私?


 真剣にパンフを見てました(コミュ障)。


 やがて、時間となったのでまずはこのゲームの説明が入ります。


 内容のネタバレは一切語れないため、はぶきますが、事件が起きます(ざっくり)。


 与えられた冊子で謎を解きます。


 指示通りに物を動かして浮かび上がってくる言葉を使ったり、書かれている文字から意味を拾ったり、部屋の中にある装飾品なんかも推理のヒントにします。


 もしやったことのない方にギリギリのヒントを語るのであれば、大抵のものは、過去に使った道具やキーワードが、もう一度必要になる時があります。


 どうやって解いたか、どの場面で解いたか、また使える時はないか、見落としはないかなど、様々な考えを想起させられます。


 この物語の伏線を拾っていくような展開こそが、リアル脱出ゲームの醍醐味とも言えるでしょう。


 そして、ゲームもいよいよ終盤です。


 集めたヒントを使い、それらをはめ込んでいけば、キーワードが浮かび上がる!


 我々は歓喜に揺れました。


 あれ?


 うまくはまらない(不器用)。


 ウルトラ痛恨ミスとして、工作がうまく出来ないという悲劇に陥りました。


 そして……。


「やった」


 ええ、やりました。


 ゲームオーバーです(とけなかったんかーい)。


 いやだって内容が言えないのはもどかしいですけど、この物には違和感があると言われて、まさかあんなことをするとは。


 わかるかい!


 安心してください。


 きちんと解説もあります。


 解説ムービーが流れ、物語が紐解かれていく間に、「あー!」といった感嘆の声がそこら中から溢れます。


「なるほど!」


 時々うるさい輩もいます。


 まあ私なんですけど。


 ……。


 皆様の迷惑になる大声は、絶対にやめましょうね(反省)。


 誰もがこんなん解けるかいといった空気が蔓延する中、


 なんと一組が無事に全部の謎を解き明かしました。


 こんなん解けるなんて頭おかしい(いやはやお見それいたしました流石ですね)。

 ↑逆


 会場のやたら元気なお姉さんが言います。


 美人の受付さんに喋らせようよ、そう思った私のゲスい感想はさておき、「皆さん悔しくないですかー?」


 悔しいです。


「それでは、今後も新たな企画を行なっていきますので、ぜひともリベンジしてくださいね!」


 うんやるうぅ。


 商売上手だなこの流れ(感嘆)。


 とはいえ、本当に悔しいのは事実、やればやるほど、攻略のヒントが見えてきて、柔軟な発想が磨かれるのです。


 まだやったことのない方は、ぜひとも一度体験してみることをオススメ致します。





 あっ、本題は終わりました。


 ここからは蛇足で、その後の休日模様です(マジのマジに蛇足)。


 その後は久しぶりに訪れたとある都会の商店街をぶらつきました。


 パンキッシュな格好のバンドマンっぽい方々、赤身と書かれたTシャツやアニメイラストのTシャツを着こなす趣味の探求者、黒マスクに身を包む怪しい若者、外人客、買い物中の主婦、そしてゴー☆ジャスとマジシャンを足したような格好の年齢不詳。白ハットのヤクザ(個人の主観)。


 カオスすぎませんこの街!?(どことは言わない)


 休日のこの街はマジでこんなだから困ります。


 私みたいな無個性の塊がいるのには、少々刺激的でした。


 アクセ屋のラピスラズリ見てニヤニヤし、複合グッズショップでドールを見ていると、恐怖と不思議な魅力を感じました。


 やばい、目覚めそうです。


 その後、友人が靴を欲しいというので靴屋へ。


 数年間、プライベート用の物は新調していなかったのです。ピンときたら買う派なので。


 渋々とついていきまして、友人はブーツの試着をしています。


 フラフラと店内を見渡し、真っ黒な装飾とディープグリーンの靴紐に彩られた、デザインとしてはローファーよりの、おそらくはスニーカーを見つけました。


 Slow walkというブランドは、初めて見ました。


 ふーんと思いつつ試着すると、ピッタリフィットし、歩くための装丁をしているため、伸縮性や屈曲性も申し分ありませんでした。


 12000円也。


 うーん流石になーちょっとなー。


 ありがとうございましたー。


 そんな声が聞こえた時、もう一人の友人がやってきました。


「いいのは見つかった?」

「悩んでるけど……なんで遠藤が靴買ってんの?」


 ほんとだ!?(買っちゃった)


 本来靴を買う予定だった友人はよりも先に、気がついたらレジにいました。


 いやまあうん。


 たまにはいいでしょう。


 帰る前に、夕飯をご一緒しようということで、オススメのカフェに連れていってもらえました。


 アボカドという名前らしいです。


 10分ほど歩いた末に連れていかれたのは、エリックカフェというところでした。


 アボカドちゃうやん。


「生ハムアボカドが絶品なんだよ」


 そういうことかい。


 生ハムアボカドやバジルオムライスに舌鼓を打ちながら、キャンドルの揺れる空間で、ジンジャーティーを堪能致しました。


 うん。


 すごいオシャレじゃないですか?←お前がオシャレなわけじゃない。




 そんなこんなで、楽しいひと時を過ごすことが出来ました。


 専門学校以来の気心の知れた仲間との時間、なんとも心地の良いもんです。


 ちょっとした一息に甘めのジンジャーティー。


 きっとそれで、明日も頑張れるのでしょう。


 そんな満足感に浸り進む帰り道。


 台風が直撃でした。


 ……


 ちょっと今日くらい、いい感じで終わらせてもらえませんかね?(無理でした)


 皆様も、お気をつけくださいね。


 帰る途中で、せっかく買った靴が初日でびしょ濡れになり、ビニール傘が一分で破壊される、そんな素敵な経験をなさらないように、祈りを捧げつつ失礼致します。

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