思い出を抱えて
口を開け、息を吸い込む。
大切なのは、口を開くことよりも、喉を開くことだ。
そして息の吸い方。下腹を膨らませるような腹式呼吸。ここもやっぱり、吸い込みすぎないことが大切。
勢いよく吐き出した息は、声帯を乱暴に震わせて豪快ではあるが、繊細なピッチ合わせが出来ない。
あくまで、息を吸うことも、吐き出すことも、無理なく自然に。
息を走らせるというよりは、吐き出す息に隙間なく音を乗せる、イメージ。
リップロール、タングドリル。
そしてエッジボイスを順に繰り出し、喉のウォーミングアップはバッチリだ。
頭を上げるどころか、そのまま逸らせて頭頂部が地面を望むと同時に、視界は天を向く。
凹凸の走った石造りのサーキットのイメージ。窪んだ隙間には、ここからは見えないが鳩やコウモリが住んでいる。
国道で川を越えるための橋の下、リバーズエンドのその先は、コンビナート工場とはねっかえる魚の群れに満たされていた。
車の通る橋の下は、頭上の走行音が、音を全てかき消してくれる。
つまり、一人で歌うのにはうってつけだ。
観客が水辺に生息するムカデのような虫達というのが切ないが(びくびく)、まあ素人には贅沢すぎるだろう。
よし、レッツシングアソング。
両手を広げ、人がいない安心感に心を弾ませて、広大な世界に歌を広げた。
茶色いしばいぬを連れてハゲあがる頭とささやかながら鮮烈な人生を感じさせるシワをたずさえたおじいちゃんが眺めている僕「……」
あっ、どうもおじいちゃん。
いい天気ですね。
The world is peaceful today as well(世界は今日も平和です)
Other than me(僕以外)
全然平和じゃねぇよ!(唐突)
朝起きたらミサイルの発射を告げる警告が鳴り響き、皆様も怖い思いをされたのではないかと思います。
幸い、被害としてはなかったものの、これからはこのような恐怖が、いつか実感の伴う痛みとなり、我々の前に押し寄せるかもしれないのです。
平和は、日常は、いつ崩れてしまうとも限らない、砂上の楼閣なのかもしれません。
日々の何気ない日常こそ、我々が感謝するべき尊いものなのかもしれませんね。
さて、本日はエッセイのタイトル通り、大真面目に世界平和について考える、マザーテレサとの対話をテーマにしようかと思ったくらいですが。
まあやめました(懸命)。
さすがにエッセイのコンセプトを乱すのはいかがなものかと思いますので(一話を見直せ)、今日も楽しくいきましょう。
精霊の守り人をようやく読み終えましたのですが、普通に面白すぎてふざけたことは言えないので、感想はそれだけに留めます。
さて、皆様には、思い出の場所がどのくらいありますか?
生きている時間、訪れた場所、交わした約束、それは人の数だけ存在することでしょう。
生まれ故郷に住み続けている私にとっては、毎日が懐かしい景色です。
例えば、まだ生きることの意味すら考えていなかった、保育園時代。
初めての日、母と引き剥がされたあの日、不安と寂しさでいっぱいでした。
次第になれて、ドッヂボールで先生全員をアウトにする目標をたて、最後の最後で達成できたことを、今も誇りに思います。
毎年実をつけるザクロの木に登り、その果実を手にした勇者こそが、男と認められたあの日々。
損得の伴わない関係をもって、女の子三人くらいと結婚の約束した若かりしあの日。
しまった、誓約書作っときゃよかった(これが悪い大人です)。
そんな大切な思い出の詰まった場所。
現在は廃園になりました。
思い出ってはかねえなあおい。
まあまあ、でもまだ近所に中学校があるじゃないかお前さんと、女房のような口調で別の思い出がいいます。
そうですねえ、図書室で男女4人で話をしていた時、しゃがみこんだおかげで好きな子のおパンツ様を拝めたことが人生のピークですかね。
数年たって告白した結果は、ね? ふふ(察して)
そんな中学校は、改装されてもう形が変わってます。
思い出がどんどんなくなっていきます。
なんかこの出来事をもっとシリアスに捉えれば、物語すら書けそうな気がしてきたと前向きになったところで、小学生は最高だぜと、違うベクトルの声も聞こえてきました。
そうです、小学校です。
西と東に分かれていて、私は東側に通っていました。
人数は少なくとも、新しい校舎と独特な雰囲気が大好きでした。
プールの更衣室、タオルで股間を隠している男子、絶対にそれを外したがる輩がいて、タオルのおろしあい戦争にまで発展。
泣く私(被害者)。
キレた女子の怒号。
更衣室上の隙間から投げ入れられる、男子のパンツ。
泣くTくん(被害者じゃなかった)。
女子更衣室に突撃するK(全裸)。
見る私(スケベ)。
そんな素敵な思い出で溢れてました。
一連の流れしかなかった気もしますが、そんな思い出の場所を見ますと。
ふれあいセンターなるものに変わっていました(西に吸収された)。
生徒数減少からの合併まではわかるのですが、もめたのはどちらに通うか。
当然、校舎が新しい東が押されたのですが、基本的な人数の差と歴史の古さは西の方が上でした。
地方田舎特有の嫌らしい謎の権力によって、東側は歴史から消えました。
そんな出来事の最中、西の親と東の親は、お互いと喋るなとまで言っている人がいたというのだから、驚きです(本当)。
人って、怖い。
いやあ。
思い出って、素敵ですねえ(死んだ目)。
まあ色々な形あるものは、いずれ消え去るのです。
過去を振り返り惜しみつつ、私たちが生きていかなければならないのは過去ではなく、実は未来ですらなく、今なのです。
今この時を思って生きる、そうありたいですね。
そんなことを思いながら、つい先日更地になった児童館を眺めました(思い出また消えた)。
引っ越そうかな。
少し本気で思いました。
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