特殊捜査班『エヌ』
「シゲさんこれ見て下さいよ!」
若い刑事が
「配達人の野郎、もう
「そうか。で、外国人
「そうかって……それで終わりすか?」
「
「あのジジイが釈放にでもなったら無駄骨じゃないすか!」
「ヤス。一課の連中がエヌを利用してるのは知ってるな?」
「はい」
「グリーラ一味が武装強盗団だったらどうする?」
「協力要請もありうる、って事ですか」
シゲさんこと片山重幸警部は黙って
凶悪犯罪の時効が廃止になって以降、未解決事件の再捜査に特化した組織『国家公安委員会時空保安庁』が秘密
再捜査で最も厄介なのは事件関係者が居なくなってしまうことだ。それは分かる。だからといってタイムマシンというのはどうなんだ?
予算獲得。まあそうだろう。それはまだ理解できる。分からんのはこいつらだ。片山はプリントアウトされたスキンヘッドの男を指ではじいた。パンッと大きな音が響いた。
何が『ポストマン』だ!
モグリのタイムトラベラー。こんな
仮にこの
意図しない未来。ムショから出られずじまいだ。さあどうする? 自分しか知らない事……遺言……隠し金の
片山警部は組織図を見た。空島……あいつか。誰だかの祝賀会でてっきり酔っ払って寝てると思ったら参加者全員覚えてやがった。できれば絡みたくない男だ。何を考えてるのか見当がつかない。もう一人は……おいおい新戸部って。光一だと? 委員長さまの
やめだやめ。関わったらろくな事にならん。片山は組織図を閉じると目下の件に考えを戻した。年末まであと一週間。外国人
そうはさせるか。この国の年明けは俺たちが守る。片山警部は机の上に置かれた紙をクシャクシャに丸めるとゴミ箱に放り込んだ。
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