第三話 初見と処刑
失が黒服を殴ったのが無意識下での衝動によるものだという訳ではない。ただ、完全に自意識下での行動かと言える訳でもない。それは追々話していくこととして、今は彼が黒服を殴れた理由を説明しよう。それは、失がイヴ所持者であるからだ。幻の0番、通称「
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流石にあの程度のパンチではダメージは少ないようです、黒服さんは、否、黒服はすぐに起き上がり叫びます。
「あぁっ!?なんだてめぇっ!」
「言ったでしょう。消去の0番、正式名称幻の0番。貴方と同じく、イヴ所持者です。まぁ、貴方の場合はイヴ所持者かもわかりませんが。」
焦る黒服と、淡い僕。淡々と、淡く蒼く、笑い嗤う。そうするように作られ、そうなるように造られた、ただの人形人間は、そう答えます。
「0番・・・0番だと・・・?そりゃあほんとに幻の話だぜ。シングルナンバーですら幻想だって言われてんのに、0番とは、大きく出やがったな、ガキ。」
「驚くのも無理は無いですが、今はご自分の命を大事にされた方がよろしいのではないですか?それは周りのお仲間様も同じですが。」
というか、周りの生徒さんたちは誰ひとり喋りませんね、何か細工でもしてるんでしょうか。まぁ、今はそれでいいんですかね。
「あぁ?・・・お前ら、出てけ。」
「はぁ?おいボス、流石にはったりだろ、真に受ける必要はねぇよ。」
黒服の言葉に、動揺した様子でそばにいた防弾ベストがしゃべります。ボスだったんですかこの男。そばに居る男は副隊長と言ったところでしょうかね。
「はったりが50、本当が50だ。いや、40と60かね。はったりでここまで命張れる奴はいねぇだろ。」
「でもよ・・・」
まだ迷ってる様子です、逃げた方がいいのは分かってるでしょうに。
「うるせぇ、俺の指示だ、従え。」
「・・・全員、出ろ。」
仮副隊長が黒服以外を連れだします。生徒さんも連れて行ってくれるとありがたいんですけどね。
「さて、そういや自己紹介がまだだったな、
「念のためにもう一度、
さて、戦闘開始です。
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