第2話
何を言っている。お詫びに私と付き合いませんか?ふむ、どー考えるのが妥当だろうか、これは告白されていると考えていいのだろうか、それとも
「私ぃ、悪いことしたんで、お詫びに超絶可愛い私と付き合う権利をあげまぁす♡」
みたいなのか、どっちだ。そもそもお詫びに自分を差し出す奴がいるのか?否、いるわけが無い。それに現実の恋愛なんて怖くて出来ない……。
「断る、別に俺は気にしてないし1本乗り遅れただけで学校にも遅刻してねぇしな。」
断った。人生最初で最後のリア充になるチャンスだったが、上手くいく気がしない……
「はぁぁぁぁぁぁあ!!!お前川崎さんに押し倒されただけでも羨ましくて嫉み殺しそうなのに告白されてそれを断るたァ!どーゆー御身分だ蓮貴様ァ!」
うん、でしょうね。俺に向かってクラス男子全員があれやこれやと文句を垂らす。叫びながら。羨ましいだの、嫉ましいなど、俺と付き合ってくださいぃ!だの。ん?まだ言ってるのか。まぁそれは置いといて押し倒したことや告白されたということを否定する。
「だから俺は押し倒されてないって、押されただけ、それと告白なんかされてないだろ?川崎が一言でも俺のことを好きと言ったか?」
言ってない。川崎は”お詫びに付き合いませんか?”そういった、意味は分からないが俺の事を好きとは一言も言ってない、そう、言われてないのだ。
「川崎、別に好きでもないやつと付き合おうとしなくていいぞ?それにお詫びに付き合うなんて聞いたことないぞ。」
「でもさ、蓮。せっかく付き合ってくれるって言ってるんだから付き合っときなよ、人生最初で最後のリア充になれるチャンスかもしれないんださ☆」
みや……お前もそう思うのか…このお詫びに付き合う事が俺の人生最初で最後のリア充のチャンスだと思っているのか…俺は……悲しいよ。まぁその通りなんだがな。
「まぁそれは俺も思ったけどわざわざ口に出して言わなくてもいいんじゃないか?俺のガラスのハートが粉々になっちうところだったぞ?」
「あ、あの!れ、蓮さん!付き合いましょう!」
少し黙ってて欲しいと思う俺は正しいのか。
「あ、あのぉ、川崎さん?俺の話を聞いていてくれたかな?別に好きでもない人と無理に付き合わなくてもいいんだよ?」
苦笑いで俺は言う。
「で、でもお父様は悪い事をしてしまったら自分の身を捧げても許しを乞いなさいと!」
「ちょっとその変わった思想のお持ち方をここに連れてきてもらおうか。」
「えっと、お父様に何か御用があるのですか?」
しまったつい勢いで連れてこいとか言ってしまった。もし連れてきたとしても俺は何も言えないぞ。やっちまったな。
「用っつか娘に悪い事したら自分の身を捧げて許しを乞わせるのは普通の考えじゃないだろ、せいぜい許してもらえるまで謝れとか、金だしときゃいいとかだろ」
「え、でも……少し…二人にな!ませんか?」
はぁ、めんどくさい。ため息をつきおれは川崎に連れられ外に出た。何度言ったって俺は付き合う気はないのになぁ。
「いい加減にしろや。お前が言う事聞かねぇからこっちがイライラしてきちまったじゃねぇか!」
はい?今どこから、俺は周りをキョロキョロしながら誰もいないことを確認して、川崎を見た。わお、まるでさっきのキャピキャピしてた川崎とは別人だ。なんつーか、怖、人違くね。
「えっと、川崎さん?さっきとは全く逆の正確になってますけど?」
「はっ、す、すいません!つい本音が♡」
え、ナニコノコ。戻ったよ?本音吐く時は怖くなるの?何なの二重人格ですか?
「本音……か、でも言う通りだろ?別に俺は付き合う気ねぇし川崎もない、そうじゃないのか?」
「相手に好意を寄せていなければそのような事は流石の私でも言いませんよ。」
「はぇ。」
お、思わず変な声が出てしまった。今なんて言った?好意を寄せていなければ?だと?つまりこいつは俺の事を好きだというのか?いつから……いやあったのも今日が初めてのはず……
「えっと、あったのは今日が初めてだよね?何で俺のことが好きなのかな?」
「忘れて、いるんですね。貴方も。アユちゃんも……」
あ、ゆ?
「アユって誰だ?」
「アユはアユ、忘れてしまったんですか?浅川 歩美」
浅川 歩美って、俺の幼なじみじゃねぇか…よ。何でこいつが歩美を知ってんだよ。
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