灰色からバラ色に変わる高校生活

烏丸 ノート

第1話

いつごろだろうか…こんなにも人生が面白くない灰色の人生だと思ったのは、いつごろだろうか…アニメやマンガのようなバラ色高校生活を送れないと思ったのは。そうだ、現実はアニメやマンガほど……甘くない。

「落ち……た。」

俺、柏崎 蓮(かしわざき れん)は高校受験という青春時代の扉の前に砕け落ちた。

「……」

俺は、立ち尽くし何も言えなかった。勉強嫌いの俺が出来るだけの力を出し、全力で勉強したが…足りなかった。──────

その日の夜、俺は学校へ行った。今後の事だろう、そのまま私立に行くか、二次募集を受けるか。俺自身どちらとも嫌だ。なぜなら二次募集で行けるところなんて限られてるしましてや私立なんて金がかかる。勉強のために大金を出せるほどうちは裕福ではない、するならば……

「あ、俺二次募集受けます。ここって俺でも問題ないっすか?」

当たり前だ、私立なんて公立の倍の金はかかる、そんな金どこから出てくる。でてこない。だから俺は、公立の普通科を指さした。先生は問題無いよと言った、だが受かる人数が22人、多い。もちろん二次募集を受ける人らはここに集中するだろう、だが俺は決めた、少し遠いことが気に入らないが1番合格確率が高い。決まった。

志願書を出して数日後倍率が出た、その人数、

「44人…は?2倍じゃん」

2倍だった……やばいな、これ…


試験も終わり合格発表の日が来た、そっと顔を上げ、自分の番号を探した……!!

「あった……」

あった、そこには俺の受験番号である数字が並べられていた。そのまま俺はその高校に入学した。

入学式当日

はぁ、分かってた。分かっていたのだか……全員知らねぇぇぇえ(泣)自称人見知り神である俺は重大な事を忘れていた。家から遠い、大した高校ではない、イコール知り合いはいない。これはまずいぞ…と、そんなことを考えてる間に入学式が終わった。俺は教室へと向かった。教室は…賑やかだな、うん。とりあえず俺は自分の席に座り、本をだした。もちろんライトノベル。さぁて、ページを開いた瞬間、ガラッ、先生が来た。

「今日からこのクラスの担任の澤田 尚史です。よろしく、この1年楽しいクラスにして行きましょう!」

はっご丁寧な挨拶どうもこっちは前期後期落ちてしょうがなくここに来ているんだ楽しい高校生活なんぞ遅れるものか。

「つかれた……」

なんなんだいったい、説明が長すぎる。こんなにかかるものなのか、てっきり三十分もあれば充分だと思った……まさか2時間ぶっとうしで喋り続けるとは……

「はぁ、帰ってアニメ見よ。」

高校に来て思った、ボロくて、狭くて、可愛い女子が誰一人いない。アニメやマンガ、あんな高校生活は、夢幻なんだな…正直、この学校で3年過ごせるか不安だ。


6月中旬、高校にもなれてきた頃、俺はいつものように学校へ向かっていた。だが今日は少し寝坊して電車に乗り遅れそうだった。ダッシュで駅に行き、ぎりぎり間に合った、小走りでホームに行き電車に乗り込もうとした瞬間……猛ダッシュで来た女子に押しのけられ、そのまま電車は出発、乗れなかった……

「え……」

マジか……

次の電車に乗り、なんとか学校につき席についた、いつものように本を取り出し、周りに何故か男子がよってきて、喋りかけられる。そんないつもの1日が始まった、寄ってきた男子1人、この学校最初の友達、宮田 竜馬。みんなには「みや」と呼ばれている。

「なぁみやぁ~聞いてくれよ今日電車でさ……ぁ」

「?どうした蓮、ん?誰だあのキュートな女の子。」

教室に入ってきたのは、今日俺を押しのけたあの女子だ、なんでだ?

「今日からこの学校来た、川崎 泉です。まだこの学校の事や皆さんの事はよく分かりませんが、よろしくお願いします!」

彼女は最高の笑顔でそう告げた。可愛い。朝はよく見れなかったがよく見るとすごい可愛い。あんなことあっさり許せてしまうほどに。もちろん男子勢からは、

「うぉぉぉぉおおお!!!!!!かわぃぃぃぃぃいい!!!川崎さんどこからきたのぉ!」

教室中に雄叫びが広がった。どこから来たのとか、好きなタイプはとか、付き合ってくださいとか、ん?早くねぇか?

「あ!」

ん?どうやら川崎も俺に気づいたそうだ。

「あ、あの!さ、先程は押し倒したりしてすいませんでした!」

「は?」

何を言い出す。押し倒されてなんかいない。押されただけだ。どう見たらそうな……

「はぁぁぁぁあ!!どぉー言うことだ柏崎ぃぃぃぃぃい!!」

だよな、そうなるよな。

「違うから!押されただけだから!」

川崎は更に追い討ちしてくる

「お詫びと言っては何ですが…私とお付き合いしてみませんか?」

何を言っているんだこいつは、全く分からない。どうしたら俺とお前が付き合うことになるんだよ……


こうして少しづつ、俺の灰色だった高校生活は、色付いていく

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