07 ミルキーアッシュ

光の欠片はプリズムで分裂すると

闇に触れた詩人が言った


かつて君だった死体の

開いたままの眼に落ちる雨粒

貝殻のように白いはだ

伝い落ちるミルキーアッシュ

渾然一体となって織り成す

腐った液状のリアル


手当たり次第に思い出を荒らし回るから

悪夢をべとべとに顔に塗りたくって

醜怪しゅうかいな笑みを"奴ら"に向けたい


ナマモノの人形を抱き締めたまま

呆然としてはいけないと声がする

果たしてその声の主は神だったか

知ることが出来ずにもどかしくて

架空の神をでっち上げる


そして敬虔けいけんなフリをして祈った

みんな消えてしまえと


ひとり、またひとりと消えてゆく

透明な神に罰せられたら

死体には少しずつ魂が戻ると

信じて疑わなかった


本当は消し炭になると知っていた癖に

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