05 ココアマリン

連日の太陽に堪えてる

目蓋の裏に宿る残像

踊らされて泳がされる

遊ばれ通しの真夏の電波


ココアマリン

深く沈む安息の刹那

息つく間もなく赦されて

洗い流すようなさざなみに揺れる


「遠くに連れて行ってよ」

からだにべっとりと張り付いた声が

あることを認めたくない


飛沫しぶきを散らして泡沫うたかたに消えても

撒かれた鱗粉は薄蒼い


舞い飛ぶ蝶のきらめきゆらら

宙に揺蕩たゆたが掴むものとは

教えてくれたのは君でした


ほろ苦くあり甘くもある

絶妙な匙加減で手招いていた

夢の中のようなリアルの中で

凍りついた扉の鍵を熔かしたい


太陽と違う熱を伝えて

形のない透明な感触で

濁った眼でも見えるように

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る