07 蒼天オルニース

地の上へと晴れ晴れ咲く

何故この空は悲しい

飛び立ったまま帰らない友に

声を殺しむせび泣く


静かに燃えるこの魂は

見世物なんかじゃなく

鬱躁うっそうと茂る森に息づく

いびつにくねった巨大樹


蝋細工の翼など選ばず

ただ天を仰いでいた

無意味に宙に伸ばす腕は

何物をも求めなかった


ならばなぜ奪われたのか

理由などない、そんな平等さで

友は流星のように散った


腕に螺鈿らでんを刻まれ

毎夜煌めく鍍金メッキの記憶

頭を揺さぶる鋼の悪魔

友を呼ぶ声は既に届かない


悲鳴のあげかたを知らない

孤独はただ友のようにそこにいる


この突き抜ける空の蒼

あかく染めてやりたかった


けれど自分の卑小さに

容赦なく現実がのしかかるだけ

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