06 少女チカトリチェ

鬱躁うっそうと茂る惑いの森

微かな息遣い

重い殻なら脱ぎ捨て

晒しましょう

鮮やかな闇を


華奢なからだを横たえて

あらわになった胸に刻まれる傷痕

刃でそっとおぼろな輪郭をなぞり

つっと浮き出る血のたまを数えた


無垢なる魂に触れて

上がる体温と速まる鼓動が

もう後戻り出来ないことを教えている


少女をやめるなら殺して

少女を殺めるなら壊して

破片を撫でてあげるから

か細いこえを恐れずに

何もかもを発して


痛みの色はあかばかりじゃない

混ぜて新たな色を作ろう

渾然一体の邪な光で

涙など蒸発させてしまおう


泣かないで

名前を呼んで


少女チカトリチェ、

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