04 切断シュトール

鉤爪かぎづめで乱暴に引き裂いた喉元から

綺麗なシャボン玉が噴き出る日常

どうにも死にきれない言霊が

最後の悪あがきをしているらしい


抱き締める為の腕なんてない癖に

救済しようという傲慢さだけは立派で

それでも嫌いになれない生温さ


付け込まれていることは解っている

せめて鋼の殻を持っていたかった

銀色に光るそれは鍍金メッキだと知りながら

中途半端な憧れを君は踏みしだく


断絶したコミュニケーションの中に

きっと架空の神はいてくれるだろう

何故祈るのか、何故叫ぶのか

答えは既に解っている


夢の中で必ず備えている鉤爪かぎづめ

迷いの海原をいで進もう


現実こそ諸悪の根源

そう信じるならあかつき

降り注ぐ紫の血の雨


まだ遠くにいる君が生きている内に

僕は累々るいるい積もる屍の上で

笑いながら死を迎えるだろう


この喉を掻き切ったら

傷口から一体何が噴き出る?


知りたくはないか

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