03 仮想ファンラーイ

どんな否定も許さない

掌の仮想現実に見た悪夢は

リアルさを伴って脳髄を

面白可笑しく侵食する


口から飛び出した夜光蟲ノクティルーカ

たぶんわたしの魂を抜き取ったのだろう

サラダのように彩りを添えて

邪神に一口で食べられてしまったよ


何者かが囁き始める

どんなものでも迎え入れなさいと

点滅する信号は終末の到来を告げている


「妄想花畑の花盗人はなぬすびとよ、消えなさい」

唐突に獏が放った包丁が飛んで来て

嘘の世界を瓦解させて微笑んだ


まだ来ない救世主などいないも同じ

仮に用意された世界など

夢オチにされてしまうのが関の山


こんな世界になんの価値があるだろう

「これから体験してみればいい」

崖の上から何者かに背中押されて

パラレルの海に自殺ダイブ

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