02 博愛ギルティネー
例えば
僕の背後、静かに降り立つ
絵に描いたような黒衣の使者のように
君の心臓の在処を探したがったなら
抗うことなく捧げるだろう
誰に?
少なくとも苦しいのは
君のためだけではない
君がその気なら、架空の愛も神も
容易く仕立て上げられるから
大仰なその大振りの鎌で
魂を狩り取って、持ち去っておくれ
僕は君のようにひとりを深く愛せない
全てを守りたいと願って止まないんだ
(そうして犠牲を払って来たんだね)
踏みしだいた骨の欠片を
意識することもなく羽根を広げ
この両手に掬った脈打つ心臓を
誰とも知らぬ
けれど心臓も魂も
等しく分け与えられる
神には遠く及ばない
知っている、それでも止めないのは
一種の憧れに似ていた
僕と君の神
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