第2話

次の日の朝。



「なんで昨日知らせてくれねぇんだよ!!」

と、俺の肩を揺する男子は、仲良し3人組の三人目のハクだ。

そもそも。俺達のニックネームは全てこいつが決めた。

俺の名前が矢口知樹という名前で、『矢口』が『知』という字に見える事から、知るが2つあるという変な理由で『シル』。

『ジル』は元々『ジゼ』だったのだが、言いにくいので『ジル』になった。(『ジゼ』になったのも、名前が児前敦という変わった名前だったからだ。)

『ハク』は簡単で、名前が白鳥祐也で、白からとってハクだ。

それだけ。

「ハクちゃんも久しぶり〜!!元気だった?」

「おうっ!!!」

と、ハクはピースした。

「ハクちゃんだけ違うクラスかぁ…。ねぇ?どこのクラス?」

「…1年T1組」

ジルはへーと言うが、他の奴らがピクッと動いた。

委員長の女子(名前は忘れた)はハクを睨みつけている。

ジルもその空気を察したようで、俺に耳打ちした。

「えっ?何?これ」

「あぁ。T1ってのは特進1組の事。

特進ってのが、最初にやらされるクラス分けテストで優秀者しか入れないクラス」

「えぇ!?あのハクちゃんが!?」

ジルが驚いた顔をすると、ハクは頬を膨らませた。

無理もない。ハクは見た目はただの不良だ。その見た目のせいで何回も風紀委員に追いかけられている。

「凄いねハクちゃん!あの授業のサボり魔だったのに!!」

「へへっ。昔の話だっての」

「確かに一番ハクがサボってたが、お前も授業中とか小説や詩を書いてたろ。今もだけど」

ジルは照れたように笑った。

まぁ。2人とも不登校の俺よりはマシか。

「なぁなぁ!今日マックへ集まらね?」

ハクは笑顔で言う。

「いいよ。ジルは?」

「あっ。俺はパスでいいかな?」

そっか…忙しいよな。

「じゃあ月曜の昼。昼一緒に食うか」

生憎、今日は金曜日だし。

ジルは「いいよ!」と笑う。

「いいぜ!俺も走っていくわ!」

と、ハクも笑った。

3人と笑ったのはいつぶりだろうなぁ。

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