幽霊は人間に優しくね♡

@potetorarmen

第1話

夏休みが終わった午前10時。俺は教室へ向かった。

そっとため息をつく。


俺自身中二病っぽいというのは自覚している。

だから言うけど、クラスというのは無駄の塊だ。


別に勉強は嫌いというわけじゃないし、友達は1人はいるから学校は嫌いじゃない。むしろ、学校に行かないとあまり勉強しないので、その自分に罪悪感を重ねる。

だけど、このクラスっていうのが本当に生きにくい。


そっと俺は扉を開ける。いつも通り、みんな静かに俺のことを無視するんだろうな。


「おくれました…」


もともと小さい声で呟いたら、俺は席につこうとした。

だけど、できなかった。


もともと空くようになってしまった席に、みたことがある男が座っていた。

俺は胸の鼓動を抑えるように席に座る。


「矢口が来たし。英単語テストをプレゼントだー」


「「「えーーーーー」」」


「夏休み前に英単語テストをやるぞーって言ったろ!!」


と、再生紙を配られた。





ーー




「遅刻しすぎると退学だぞ。気おつけてな」


と、先生に言われる。


「…クラスに馴染めないってのはわかるが、な?」


そんなこと言ったら、彼は帰っていた。

それなら、クラスをまとめてくれよ。

彼は俺みたいな問題ある生徒には、まさに恩師になるような先生なんだろうけどね。多分彼はクラスをまとめるのは苦手なんだろうなぁ。


「知らない間に遅刻魔になってたの?シルちゃん」


と、後ろから声がした。

後ろを振り向くと、さっき空いていた席に座ってた男がいた。

栗色の髪。勿忘草の花みたいな色の瞳の青年。


「…やっぱり。ジルか」



昔の小学生の頃の仲良し3人組。

その一人の、ムードメーカーだったジル。

あいつが、帰ってきた。

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