第22話姉のおっぱいを揉みながらだと話がしづらいんだが
長女は母の如し、それがたとえ按摩だとしても僕はそうしなければならないのだった。けれどこの按摩するべき位置はさすがに気まずい。
「皇玲ねえさん……僕は男なんだよ、こういうのは香玲ねえさんに任せるべきじゃ……」
僕が最後まで言い終わらない内に、皇玲ねえさんは再び肘鉄を食らわせると、不機嫌そうにいった…
「我が家では男女は平等だ、あんたがただ一人の男だからって偉そうにできると思うな。香玲はもう半時間も揉み続けてるんだから、次はお前の番なんだよ」
「分かったよ……」
僕は十本の指に力を込めた、が、皇玲ねえさんの胸に対して力を指を立てすぎかどうかというのが分かりづらいところだった。
とにかく皇玲ねえさんの胸は心底非常に「軽い」せいで、掴んだところで実感がなく、まるで自分の胸を揉んでいるのと大差なかったのだった。
「龍龍……お前、香玲になんか話があったんじゃないのか?」
皇玲ねえさんは僕の胸元にもたれかかりながら、僕たちをそれぞれ一瞥した。
「そうだった、香玲ねえさん、非常に非常に重要な話があるんだよ」
今まさに姉の胸を揉んでいるところだという点を除くと、僕個人はかなりとてもシリアスだった。
「う、うん」
香玲ねえさんは僕の真面目な様子を見て取ると、ソファの端に座り、乱れてしまったポニーテールを直し、まだ着替えていなかった制服のシワを伸ばした。
「香玲ねえさん、この二日間を通してじっくり考えたんだけど、僕は本心からねえさんの長年に渡る僕に対する親切に感謝することに決めたんだ。僕を健康なまま十七歳まで育ててくれて、自立した生活を送れるようにしてくれたことにね。だからもしねえさんに心に決めた男性がいるなら、交際したいと考えている相手がいるなら……いや嫁に行く時が来たとしても、僕はねえさんの唯一の弟として、僕はきっとねえさんのために全身全霊で祝福するし、香玲ねえさんだって僕のことなんか心配する必要はないんだよ。聞いた話じゃあの先輩って人はイケメンな上に勉強だってできるそうじゃないか、もしねえさんが望むのなら、安心して交際を始めてほしいんだ!」
一息に話してしまったことで、僕は多少息切れしていた。
客間全体にある種の奇妙な静寂が訪れた。
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