第14話 役員で迎える苦境
ここからは、なかなか苦しい時代に突入します。会社存亡の危機と、コンシューマゲームの衰退、ソーシャルゲームの台頭、が同時進行し始めるんですね。いずれにせよ、役員になってからの僕は、自分で何かをするのではなく判断と決定をすると云う事が仕事の大部分を占めるようになりました。
判断も決定も、やりたがる人はなかなかいらっしゃいません。たまに居るとすれば、社長と云う人種に他なりません。彼等は自ら進んで、判断し決定する仕事を選んだ人類です。
なんでもそうだと思いますが、大事なのはバランス感覚で、機械のように次々とただ処理を繰繰り返すだけでは社員は着いて来てくれませんし、目標も示さずだらだらとヌルい関係を続けていても会社組織は成長しません。
社長と僕は、ちょうどその役割を2つに割って、一方が7:3、もう一方が3:7で担当するような感じでしたね。クリエイティブ、センシティブな活動を7割、管理や経営的振る舞いは3割、みてーな。
この分担制度はなかなか巧く機能したんですね。序盤は。
人は苦しくなってから、人の本当の姿を見る事になります。苦しい時に共に戦ってくれる人は誰か、転んでも見捨てずに励ましてくれる人は誰か、そばで寄り添ってくれる人は誰か。苦しい勉強が始まったのはまさにこの時からでした。
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つづく
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