第6話 仕事はなんでもやった

デジタルデータを扱うデザイン業務はなんでもヤりました。基本的に断らないスタイルです。知らない技術が必要な案件も即答で請けました。何故なら、いつ仕事が回ってこなくなるか判らないからです。


 でも知らない技術の案件なんか請けたら外注費かかって儲からないんじゃ?と思われましたか思いましたね。その通りです。ただでさえ安い対価で請けているのに外注なんか出来ません。ではどうするか。


 納期までにその技術を会得出来たとしたら?


 若さは、そんな妄想を現実にしてやろうぜ!みてーなテンションをいともた易く捏造出来てしまうのです。請けてから覚える!と云うスタイルの誕生です。


 良い子は絶対真似しちゃダメ!


 体力的にも精神的にも、死ぬかと思った。ただ奇跡的に、一度も納期遅れを起こす事なく数年を乗り切りました。するとどうなるか。


 最初に5回くらい瀕死状態を耐えると、不思議と物事のコツ?と云うか仕組み?と云うヤツが身につくものでして、人間必死になって達成しようとすると賢くなるのかもなーなんて思いましたね。


 ただし5回の瀕死状態の最中は、何故こんな馬鹿な事を思いついてしまったのかと、自分を呪殺したい気分でしたが。


 副産物として、htmlとcss、uiとux、イメージファイルのフォーマット構造、プロジェクト・マネジメントとアジャイル開発、など色々の知識もオマケで付いてきました。この時は完全に持ち腐れアイテムだったのですが。


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つづく

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