第4話 フリーランス期
この曖昧模糊としつつもなんだかヤリ手感溢れる響きは、なんなんでしょう。
なんかマトモ風ですけどね。云い方ひとつで無職人もフリーランスと同義ですから、質の幅はほぼ無限ですな。
さて僕はどんなフリーランサーになったのか。
まずは、旧職場で付き合いのあった同僚を頼って、小さい規模で発注可能な案件を探しました。どれくらいの熱量で探したかと云うと、3日くらいは本気でしたが、それ以降は一度も営業活動はしない感じです。
瞬殺でダメ人間転落。
でもそりゃそうだっつー話なんですよ、まあ聴いてください。それまで開発ばかり猿のようにヤって来た僕が、突然営業なんか出来るはずもない上に、じゃあ今から自分の頭で考えて営業ってヤツを一丁ヤってみっか!と思い立ったところで、3日も唸った時点でヤル事が無くなるわけです。
当時は実家住まいでしたが、流石に無職のままでは家にお金を入れる事も出来ないので、ほんのり焦ります。あそうそう、この頃には大学を辞めてしまっていました。この件についてはまた別の機会に語りますので、今は端折りますね。
ともかく僕は、一応ながらも社会人だったと云う事です。
会社の勤め人である友人達は、僕に対して仕事を発注したい気持ちにはなってくれたのですが、如何せん彼等の年齢が裁量獲得するには低すぎました。
そんな僕に声をかけてくれたのは、僕が旧職場を去る少し前に辞めていった同僚の1人でした。彼は僕と同じデザイナでしたが、どちらかと云えば営業マンの発想に近い男でした。
ナニをすれば良いのか全く判らない状態の僕に、仕事の話を投げ入れてくれるじゃありませんか!
え?君腹立ついや貴方様は神なの?
なんでも、フリーランサーになった直後に受注した案件を回す為に、とある貸しビルの一室に開発拠点を構え、同じくフリーランスのプログラマや企画マンを集めてチームを作ったんだそうです。ただ、どうしてもデザイナだけは充分な人数を揃える事が出来ず、いくらかの作業が宙に浮いてしまい困っていたのだ、と。
こうして僕はたまたま電話で話した旧同僚からフリーランス初の仕事をゲットしたのでした。やたっ!
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つづく
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