僕の夢

夢の中に沈んでいく

ゆらゆらと外界の光が僕の眼孔を照らす

その中に一筋の光線を見た

光線は青い光を放って輝いている

僕がなくしたものは数知れずあった

魂が渇望しているものは

数知れずあり

手が届かない僕は手を出そうとしてやめた

サイコロは振り出しに戻る

この世界のルールとか

そういうものに支配されながら

僕は自由がいつか空を横断するのを夢見ている

僕の夢は

空を飛ぶことだった

誰かにあの空の飛び方を教えることだ

いつかはかなうと信じている

時代は過ぎていく

決して逆戻りはしないだろう

そう信じている

長い旅の果てで渇望したあの人に出会えるかもしれない

僕が長い間忘れかけていた人だ

僕は自分の世界が崩壊していくのを

じっと部屋のテレビを見つめながら見ていた

それはとても奇妙なことだ

そしてすごく悲しいことに思えた

もう帰ってこない自分がいた世界を見ているのは

なんだか残酷とすら思えた

神の力だろうか

何か神秘的な運命によって

僕は苦労して自分の壊れた世界の断片を拾い集めた

最後には何もなかった気がする

でも僕はその作業をやめなかった

おそらくそれは死ぬまで続くのだろう

僕は夜空の星に手を伸ばす

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る