物語

夢の中の物語

きっと昔から伝えられた

聖書とかに書いてあるような話

いつまでも続く物語は

空の中に言葉を散らす

頭の中から

放課後の廊下から

小さな家庭にまで

物語の言葉が広がっては消えていく

途端に

いろいろな喜びや悲しみが

物語の本の中に集約される

昔からそうだった

この世界は

暗さと明るさに分類される

そして物語は

いつまでもそれを語り継ぐ

一人の人間のようだ

彼はきっと知らない

僕らがずっと彼を見ていることを

彼はきっと思いを馳せる

遠いどこかに旅することを

彼はまるで生物のように

人間たちの世界を泳ぎ続ける

長い間閉ざされていた物語は

まだ終わらない

空の星を思い

草木を愛している

それから

人間たちのことも同時に気にしているに違いない

揺らめくろうそくの火の下で

また一つ物語が生まれる

今度は誰も知らない物語だ

とても静かで

物悲しい世界

誰もそこにはいったことがない

彼自身の個人的な問題だった

どうしてこんな世界なのだろう

また一人の人が物語を読む

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