街路樹
まばらに木々が並ぶ
どれも華麗に葉を彩る
美しさに基準はない
そう
何にも基準はない
例えば
一とか二とか
数字にも
基準はない
空から鳥が落ちてくる
急降下して
真っ逆さまに青空を横断する
すぐに態勢を持ち直して
それで向こうへ飛んでいく
まちなかに
火が灯る
僕はそれを見ている
不思議なことに
他の誰かもそうしているかのように
そしてそっと静かに
息を吹きかけて
あらゆる生き物たちを
火で殺してしまうのだ
街頭の木は
ゆったりとしている
そしてただ
世界を見つめている
僕と木々は
それが音叉みたいに
共振しているようだ
長い旅をしているみたいに
生涯は進んでいく
その中に取り残された僕は
ただ街路樹のように
街を行く人を見つめる
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