宇宙

宇宙の内部を覗き込み

そしてそれらをすべて破壊する

心の内部をかきむしり

闇と光を上手に切り離す

愛した彼女のことを追い続けるままに

空から星が降ってくるのを

部屋のベランダから眺める

彼女は地上の上を泳いでいる

一匹の熱帯魚のようだった

僕は心の中がひび割れる音を聞いた

失恋

どうにもならない心は

宇宙をさまよっていた

帰ってこない

彼女の声は

遠き日の思い出と共に霧散した

どこにも居場所なんてなかった

あるのはただ広大な土地と人だけだった

宇宙の中を僕は旅する

木星をターンして

彗星を追いかける

想像

イマジネーションの中には

あらゆる海と空が広がっている

ちょうど境界は僕の意識だ

スペース

クラリネット

バケーション

いろいろな言葉は

部屋の中を自由に泳ぐ

言葉の海の中に沈んでいく

意識はまばらに

空を思い浮かべながら

消えていく

部屋の中のたばこの火

危ないから

そっと僕がもみ消した

仕方がないから

僕は暇つぶしに

皿をキッチンで洗った

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