第6話
あの後、家に帰り晩御飯や風呂入ったりして時刻は9時を回った。俺は、2階で明日の準備をし、リビングに向かったがリビングのすぐ近くである異変にきずいた。それは音がしないということだ。いつもならレイの笑い声や、テレビの音などが聞こえるのだが今はそれが全く聞こえない。不思議に思いながら扉を開けるとそこにはレイが正座して座っていた。
「お前なにやってんの?」
そう、問いかけるとレイは困ったような顔をした。
「いやあー、何というかお礼的な」
「何故にお礼?」
「まぁ、かい君は明日から学校でしょ。だから、ちょうどいい機会かな~と、思って」
そういうとレイは真剣な顔をした。
「ありがとうございました」
そういい、レイは土下座した。
———はぁ、何言ってんだこいつ?何でここで土下座?マジで何やってんの馬鹿なのこの娘?
「何やってんのお前」
そういうと、レイは少し恥ずかしそうに顔を上げた。
「いやー、何というか・・・ともかくお礼お礼。もうこの話は禁止。テレビ見よテレビ。そういえば今日から新しドラマやるんだよなー。かい君もみよ」
そういい、レイはテレビの電源をつけ炬燵にはいった。
「あぁ、だな。見るか」
俺はそう言い炬燵にはいった。
べつに、新ドラマなんて見なくてもいい。
最近テレビなんて全然見ないのだからレイの誘いを断ってしまっても良かったのだ。では、なぜそれをしなかったのか。答えは簡単だ。
したくなかったら。
これ以外に理由なんてない。ただ、したくなかった。それだけなのだから。
あれから、2時間ほどたちいまは11時前。新ドラマはどうも1話なため2時間くらいやっていた。
ドラマの内容もよく見かける警察系で凸凹コンビが犯人逮捕というよくあるやつだ。はっきり言って面白いのか微妙だ。でも、どこか懐かしく感じるのは多分気のせいではないのだろう。
そんなことを思いながらテレビを見ていると新ドラマも終わりcmをやっていた。
「レイ、そろそろ寝るぞ」
そういい、レイの方を見ると炬燵に入りながら寝ていた。
―――おい、なんでお前が寝てんだよ。普通逆だろ。
「おい、寝るぞ。炬燵で寝ると風邪ひくぞ」
そういいながらレイを揺らすが起きる気配がない。
一回ため息を吐き二階の自分の部屋に行き布団を一枚持ち一階のリビングまで降りた。そこには、さっきと同じ様にレイが寝ていた。炬燵を寝てるレイに持ってる布団をかけた。
レイに布団をかけ、俺も寝ようと電気を消しリビングからでようとしたときに・・・。
「おやすみ。かい君」
と、そう聞こえたような気がした。
「あぁ、おやすみレイ」
おれはそういい部屋からでた。
次の日。朝起きるとレイはどこにもいなかった。
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