第2話

「さぁ、説明してもらおうか」

 俺はそう、目の前にいるこたつに入ってもくもくとみかんを食べている幽霊少女に話かけた。

 おれがさけんだあと、直ぐに目を覚ました少女に、説明を要求したら朝ごはんくれないと話さないというからしょうがなく俺のと一緒に作り、片付けも終わったので話をきこおといまにいたったと言うわけだ。 

「やっぱり話さないとダメですよねぇ~」

「当たり前だろ・・・・・」

 そういうと、幽霊少女は一息ついて言った。

「私は幽霊です」

「いや、わかるから」

「ですよねぇ~」

「それじゃあ、あなたからなにか質問してもらおいかな」

 そういわれたので色々と質問することにした。

「ならまず、名前はなんていうんだ?」

「名前かー、はっきり言っておぼえてないです。ほかにも、年齢、出身地、もろもろ過去のことは覚えてません。だから、気軽にそうだなぁー。・・・・・幽霊だからレイってよんで。それでさ、君の名前は?」

「俺?俺の名前は朝霧海翔。よろしくなレ、レイ」

 そう言うと幽霊少女改めレイはニコリとわらった。

「うん、よろしくねかいくん」

「お、おう」

 こうしておれは、初めて幽霊少女と自己紹介をした。

――—そう言えば、初めてこんなに女子(幽霊)と喋ったな。悲し!!。




 それから、特に何もなく俺は2階の自分の部屋で宿題をして、レイはレイで1階でこたつ入ってテレビをみている。あいつ、ほんとに幽霊かよ。

 そうして、宿題をしているとシャープペンシルの芯がでなくなり、数回カチカチしても芯がでず諦めて筆箱からシャープペンシルの芯ケースを取り出すが中に芯が入ってないことにきずいた。

「はぁー、しょうがない買いに行くか」

 そうすると、さっさと着替え、上着を着て1階までいった。

 1階まで行くとテレビの音が廊下まで聞こえており、リビングまで行くと案の定こたつでゴロゴロしていたれいがいた。

「レイー、俺少し本屋までいってくるから」

「ちょっとまって、私もいきたいー」

 そういわれたので、玄関で待っているとレイが来た。

「よし、いくぞ」

「うん!」




 そうして、歩いて10分位のところにある本屋ついた。

「俺せっかく来たからお前はお前で、色々見て来いよ。買うもん買ったら後で呼びに行くから」

「わかった」

そういうとレイは物珍しそうに歩いて行った。

――—そう言えばあいつ一応裸足だけど(透けてるけど)痛かったりしないのか?それに、着てるのワンピースだけだし。

 そんなことを考えながら文房具売り場までいった。

「さて、どれにしようかなぁー。てか、いつも思うけど芯だけで数多くない?素人にはどれがいいとかわかるかよ」

 俺はそう言いながら適当な芯を選び会計しに行こうとした。

 なぜ「した」なのかと言うと話しかけられたからだ。

「あれ、朝霧君?」

「えっ」

 俺はこの少女を知っている。 

 俺の通ってる中学で、一番人気がたかい女子、木更津唯香。

 だがここで、一つ疑問があった。

「木更津、俺の名前知ってたんだ・・・」

 そう。確かに俺は彼女のことを知っているが、彼女が俺のことを知っているとは思はなかったのだ。 

「当たり前でしょ。おんなじクラスだし。・・・それに」

 それにの後は簡単に想像がついた。

 俺が忘れたい黒歴史の一つ。

「告られたこともあるし」

 そう、俺は彼女に告白したことがある。

 それは、去年の5月位の事。学校のボランティア活動で押し付けられてしょうがなくやったボランティアたまたま彼女と3,4回ほど喋り、こいつもしかして俺のこと好きなんじゃね。絶対好きだよこれ。と、勘違いして告白して・・・。

『と、友達じゃダメかな…』

 と、言われて以来、おんなじクラスになっても1回も話したことがない。

「・・・」

「・・・」

――—やっべー!めっちゃきまずいんだけど。ともかく何か話しかけたほうがいいよな。

「そ、そういえば木更津はなんでここにきたの?」

「わ、私?その、消しゴムを使いきっちゃって。だから消しゴム買いにきたんだ。そう言う、朝霧君は?」

「お、俺もシャー芯なくなっちゃて」

「へー、朝霧君もなんだ。それなら私たちおそろいだね」

 そう、ニッコリしながら言われた。その笑みは見たもの全てを惚れさせるような笑みだった。

「お、おう」

「それじゃあ、私そろそろ帰るね。それじゃ、3学期にね。バイバイ」

「あ、ああ。じゃあな」

そういうと彼女はさっさとかえっていった。  




 あの後、さっさと会計をしてレイをさがしにいった。

 レイはかんたんにみつかった。本を物凄い集中で見ていた。なぜなら、彼女にぶつかって過ぎていく人がいるからだ。 いや。もっと正確に言うならば彼女を通り過ぎてく人がいるからだ。

「・・・・・」

 そのことに、息を吞んだ。改めて認識してしまった。やはり、彼女は人間ではなく幽霊なんだと。どれだけ、人間らしくても幽霊なのだと。

 それから、おれにきずいたようで、読んでた本を置いてあった場所に置きこっちに向かってはしってきた。

「欲しいもの買ったの?なら早く帰ろ」

「お、おう」

 俺たちはそのまま、家に帰った。




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