【第2話】デスゲーム、その名は〈ミステリートライアル〉


『それじゃあ、簡単にゲームの説明をさせて頂きますね!』


『まず、先に言っておきます!あなたたちはある意味実験台でもあり、将来が保証されている身です!』


実験台…?将来が保証されている身…?訳が分からない。


『あー、これだけ言っても分からないよって人が出てくるか。ならもっと分かりやすく教えますね。実はこのゲームは…』


このあとに聞いた言葉は、あまりに衝撃的だった。


『なんと、このゲームは政府公認!つまり国が主催しているんですよー!!そして、皆さまの状況は全世界に生中継されています!』


おいおい、まさか嘘だろ?


『嘘だろ?なんて思ってもほんとですからね?まぁ、信じるかはあなた方次第ですが…。』


『さてと、それは置いといてゲームといえばルールが必要ですね!さっそく説明しますよ~!』


全く先が見えないぞ…。


『我々はこのルールのことを〈館の掟〉と読んでおります。それではさっそく紹介しますね!』


館の掟…?


『〈館の掟 その1〉本実験プログラムは、12人で行うサバイバルゲームです。

なお、本実験プログラム終了後の被験者の将来は保証する。』


『〈館の掟 その2〉残り6名になった時点で本実験プログラムを終了とする。』


『〈館の掟 その3〉殺人を起こした者は、直ちに処刑とする。(ただし、誤審の場合は無効とする。)』


『〈館の掟 その4〉殺人事件が発生した場合、翌日に裁判を行わなければならない』


『〈館の掟 その5〉1つの事件に裁判は1回のみとする。』


『〈館の掟 その6〉裁判には担当の弁護士・検事を用意する。(担当の弁護士については、被告人自身が行うことを許可する)

なお、担当の弁護士を決める際は被告人の承認が必要とする』


『〈館の掟 その7 〉もし裁判の判決が誤審となった場合、その時点で真犯人をゲームクリアを一人とする。

なお、誤審で有罪になった場合〈館の掟 その3〉より、処刑は無効とする。』


………………


『等と他にもたくさんありますので詳しくは、現在皆さんのいるお部屋に置いてある自動通信携帯端末、館手帳デバイスでも確認できるのでそちらでご確認下さい!』


机の上に青色の端末が置いてあった。


(館手帳デバイス…、これのことか?)


端末を起動してみると、僕の情報があらかじめ入ってあった。


『まぁ、館の掟を簡単にまとめると、誰も人を殺さなければ永遠にゲームは終わらない。誰かが人を殺して、残り6人になればゲームクリア!って感じですね!』


『どうしてもゲームをクリアしたい?

なら、人を殺せばいいんですよ。そして裁判で他の人を犯人に仕立てあげる。その人に有罪判決が下れば、自分はゲームクリア。』


(突然何てことを言い出すんだ…。

だいたい、そんなことする人なんているのか?)


『それでは、頑張ってくださいねー!!』


『ブチッ…』


モニターから映像が消えた。


今、僕はまったく状況が分からなかった。

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