一人暮らしとお仕事
帰宅したのが夜の10時に近い。
アパートの住んでいる部屋に入ると夢は、手探りでいつもの位置にあるライトのスイッチを付けて「ただいま」と言った。
彼女は一人暮らしでこの町にやって来た。
イラストレーターと同人活動しながら願いを叶えるためにこの町に来たのだった。
実家は1時間くらいでそう遠くはないが、「家に居ると甘えて制作ができない」と思い両親から猛反発を受けながらも説得して一人暮らしを始めた。
お部屋は2DKのお部屋。
お風呂や台所・トイレ・お部屋が2つもあり、一人で住むには十分のスペースがあった。
寝室と作業部屋に分かれていて寝室にはかわいいウサギや大きなクマ・アニメキャラなどたくさんのぬいぐるみがあった。
学生時代に着た制服・全身が見える程度の鏡・うさぎ模様のピンクのカーテン・白い四角のテーブル・ふかふかなソファなどあった。
お風呂に水を入れて温かくするためにボタンを押した。
沸くまでに時間があるのでいつものように、携帯のメールやPCからの通知を見る。
仕事のスケジュールも、明日は朝から出勤する予定日になっていた事を再確認。
しばらくして、お湯が沸いたのでお風呂に入り一日の生活は終わるのだった。
いつものお気に入りの青色のパジャマでベットに入ると、今日の出来事に思いだしながら明日からみんなと連絡して制作はどういう風にしていくか自分に言い聞かせてドキドキしながら考えているといつの間にか寝てしまっていた。
かわいいうさぎの時計が朝7:00をお知らせするためにベルが鳴った。
「うっ、あと5分寝たい」と思いつつ起き上がった。やはり朝はつらい。
まだ眠たそうに目をこすりながら洗面台の方に向かった、いつのように青の歯ブラシで歯を磨き5~6回くらい顔を洗って、すこし寝癖がついた髪に水を付けてブラシで絡まった毛を解かしドライヤーで整えて動きやすい仕事用の服に着替えを朝の準備を済ませた。
朝食をするためにトースターにパンをセット。
香ばしく焼けたパンにジャム塗りとパック牛乳をマイコップに注ぐ。
小さめのフライパンに火を付け温かくなったら油を引いて卵を焼いた。
冷蔵庫を開けると実家から送ってきたダイコンやニンジンをステック状に切った野菜が入ったビンを取りだしドレシングと一緒に食べる習慣があった。
これらは忙しい朝に食べるのが定番メニューだった。
彼女の朝は学生時代から起きる時間が同じで、これから近所の本屋さんでお仕事するのが日課だった。
AM8:05に出勤。
徒歩でAM8:20にお店に到着し店長にごあいさつ。
中で本の整理や補充・掃除などをし、イラストのポップも任されていた。
夢が本屋でお仕事を選んだのは漫画やアニメが大好きで、イラストの専門書も豊富にあるので日ごろから興味あった。
町に来てから本屋を通う毎日だったが、たまたまバイトの募集があったので面接を受けて入ったのだった。
店長兼オーナーで美人で3代続く本屋さん。
かわいい文房具も豊富にあって、学生にも有名で人気があった。
この町に来てはじめて知り合ったのはこの店長だった。
頼りのある大人の女性で笑顔がすごく良かったので憧れの人でもあった。
10時5分前には開店をし、朝早くのお客さんもいた。
新聞や雑誌を買う人・立ち読みだけして帰る人・親子連れの人などいた。
夢は本の片付けをしながら本の紹介をするためにポップ作り。
店 長はレジで会計係りと電話受付の役割があり、日によっては仕事の内容が入れ替わる事もあった。
店長を好んで来る顔見知りのお客さんも多く、雑誌を買いながら気軽に声を欠ける常連もいた。
初めてバイトに入った頃も失敗が多く、それでもやさしく励ましてくれるくらいの人ですごく尊敬のできる店長であった。
午後からは学生や社会人が多くなり、もう一人バイトをしている学生の子がいた。
4時になるとその子が来るので5時になると夢のお仕事は終わるのだった。
1時間の間、その子と話せる機会があるので楽しかった。
なぜかバイトの学生から先輩と言われるので、学生だった頃の気分になれるので懐かしい感じでとてもうれしかった。
「今日も新発売の本の紹介とポップを書いたの見てくれる?」
「やっぱり上手です先輩!! 私も先輩みたいに絵がうまくなりたいです!」
「ありがとう! こんなかわいい子が褒めてくれる後輩を持ってうれしい!」
いつもこういう会話をしながら二人は笑顔でいつも和気藹々と意気投合していた。
5時になり仕事を終えるとオーナーから「夢ちゃん! おつかれさま 今日もがんばったわね」と言われる。
それを聞くと安心して疲れも取れるのだった。
PM5:20分に帰宅。
夢はさっそくPCからネットを繋げて、昨日知り合った茜さんと連絡する。
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