第2話 もう一度

 一瞬世界が止まったように見えた。

横を向くと、大型のトラックがこちらに向かって突っ込んできていた。


 ――――その時、俺はとっさに思った。



「死にたくない」




 気づいたらベッドの上にいた。

時計を見ると、朝の4時半頃を示している。


 「夢」?


 いや、夢にしてはあまりにも生々しすぎる。

実際に朝、何があったかを全て鮮明に覚えている。


 考えていたが、あまり時間があるわけでもないので朝の支度をして学校に行くことにした。


 普段と同じ時間に家を出たが、やはりあの夢(?)が気がかりだったので、

普段とは反対側の歩道を歩くことにした。


 学校の前を通ったとき、1台のトラックが通った。

忘れもしない、俺を轢こうとしたトラックだった。


 わけがわからなかった。


 俺が轢かれる...運命が....未来が変わった?


 まあ考えていてもどうしようもない。

俺はおとなしくたっぷり睡眠をとって家にもどった。


 でもやっぱり腑に落ちない....。

まあそんなことより今日は新しいアプリの配信開始日だ。

 リセマラしまくってやる!


 リセマラ.....。


 今回のことも見方によってはリセマラか....。

失敗したから最初からやり直し....。


 あっ!

くそ...。ガチャはずれた。

 よし、もう一度だ。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る