お姉ちゃんのよくわかる戦闘力講座。これをアザトは使いこなせるのか!?

(さて、出場をすると決めたわけだが、ただの学生に過ぎない俺がどう戦えるというんだ。なんか侍みたいな男とか立ち姿に微塵も隙がないメイドさんとか蹴りだけで突風起こす女とか腕が凄いことになってる坊さんとか暗殺者みたいな連中とかそれはそれはおっそろしい連中がわんさかいたんだが)


 ……そうだね。でも、私がついてるから。


(まあ、そうだが。あの連中に勝てる気がするかと言われるとな)


 ……それはちょっとプライドが傷ついたかも。


(対抗手段があるのか?)


 ……まずはそうだね。私の時間軸は一般の存在と違って無限次元だから、今それをアザトくんに適用するね。


(時間は一次元じゃないのか)


 ……普通はね。私の時間は無限次元なの。だから、敵の時間軸が有限である限り、敵の時間を止めて行動できる。敵の時間軸全てと直交する『次の時間軸』の中で動けばいいもの。


(それを理解し行使できるかどうかは俺次第、か)


 ……同じように存在次元を無限次元まで拡大すれば、攻撃防御もとりあえず安心かな?それに対処されたら、次の手を打つよ。


(分かるように説明してくれ)


 ……写真をはさみで切ることで、三次元のアザトくんは二次元を空間ごと切れるでしょ? でも二次元の存在は三次元に干渉できない。上位次元の存在は下位次元の存在に対して絶対的に有利なの。


(お前なんでもありだな。それにとどまらずまだ隠し玉があるのか)


 ……うん。連次とか多元とかの話はアザトくんには難しすぎるし……。他にもキミが望むなら、人類がまだ理論として到達していない概念での行動、攻撃、防御も可能だよ。丸めて言うと、戦闘っていうのは要するに情報量の削り合いだから、その情報に直接干渉することでいかなる防御も意味をなさないし、それに対抗するためにダミーの情報を大量に置いておく、みたいな感じ。


(うん。わからん)


 自分の守護霊が凄まじく凄い奴だということだけは理解したアザトだったが、そこから供給される力なり得られるサポートなりを使いこなせる自信は全くなかった。

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