第144話客人ノンキ
あいやーーー!!あーーーーー!!
リーダーゴブリンが相手のゴブリンと戦闘となり負けた!そして隠し持っていた懐刀でなんと自分の喉を突こうとしたのだ。
咄嗟に手を出したノンキであるが刃の部分を掴んでしまい思ったよりも出血が酷い。
その為
あーーーー!!
心の中では絶叫していたが、女性のピンチに情けない姿は晒せない雄ゴブ気(侠気)だけはあるノンキである。
不良から女性を助けるテンプレ的展開だなぁと
ダンジョンマスターが見ていたら呑気にそう言ったかもしれないが、ノンキにとって現在進行形で呑気には出来ない。
出血が酷い左手をギュット握り、腰ミノのポッケに突っ込む。見ていたら血の量にビックリして失神してしまいそうなのである。
出血を心配するリーダーゴブリンの肩に、大丈夫だと
手をポンと置こうとしたが冷や汗が目に入り、距離感を間違え頭に手をポンポンと置いていたが、当のノンキはそれ所では無く気付きもしなかった。
リーダーゴブリンが少しポッと頬が紅くなった事にも勿論気付いていない。それ所では無いのだから!!
あーーーー!!血がーーーーー!
『ほーのんきとヤラ、中々ノ早業!だが一対一の勝負に手を出スのは感心シナイな。我と勝負しろ、勝てば赦してヤルまぁ勝てればの話だがナ!ボースボス!
勝負せぬならソコをどけ!我はその雌を妻とするつもりヨ!』
ボスボスと笑うダワパッチャ
ノンキは残念ながら引くことは出来ない!
何故ならば族長から任されてここへと来たのだ。
孫娘のリーダーゴブリンが連れ去られれば、世話になっている族長に合わせる顔がない。
「ダワパッチャ!お前の妻にさせるわけにいかない!オイラが族長に任されているんだ!」
高らかに叫ぶ!左手の痛さのせいで最後のほうは声が上ずっていた。
『ほう、ならば来い!勝者コソ、相応しい(その雌ゴブリンに)』
「オイラが守る(部族の行く末を)!!」
「ノンキ…(そんなに私を…)ポッ」
一部ズレが生じたがまぁ問題はない。
ゴブリン達の世界では本能のままに強さこそ正義
強い奴が欲しいものを総取りである。
こうして一族同士の命運を掛けた一対一の真剣勝負が始まってしまった。
ダワパッチャが普通に攻め部族同士の戦いとなっていたら一方的な展開でダワパッチャの余裕勝ちであっただろうことは先に述べておく事にする。
ゴブゴブ、ボブボブ、ボスボス言うてます。
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