第142話客人ノンキ

族長から意外な事実を聞かされてからもう1月、のんびりと雑用をこなしていたノンキであるが

そんな日常が崩れ去る出来事が起きた。


族長の家にお邪魔し、ゴブ茶で一服している所へ

戦士ゴブリンが転がり込んできた。


「族長!大変だ、隣村の奴らが攻めてきやがった!」


「なんじゃと!最近は大人しくしておると思っておったが、とうとう来おったか!!…ぎゃっ!!」


勢いよく立ち上がった族長ゴブリンであったが

老年のせいで立ち上がる表しに腰をやってしまった。

ぎっくり腰である。


「大丈夫ゴブ?」


ノンキが族長を支え、控えめにも藁のしいた床へと寝かす。

こんな状態では、族長としての役目を果たすこと出来ない。


「わしゃ駄目じゃ。ノンキ殿、すまんがわしの代わりに行ってきておくれ。うぅぅぅ…。」


「任せるゴブ!」


一部始終を見ていた戦士ゴブリンは、1日老ゴブリンと子供ゴブリンと戯れているだけのノンキが来たところでどうなるものでもないと思ったが、族長ゴブリン

の言葉は絶対である。ゴブリンの社会も残念ながら縦社会であるのだ。

リーダーゴブリンにどやされるの嫌だなと思いながらも従うしかない。戦士ゴブリンの悲しい性である。


隣村のゴブリンとはまだ戦端は開かれてはいなかったが、村の出入口は多数の隣村ゴブリン達に囲まれておりにらみ合いが続いている。


族長ゴブリンを呼びに行った筈の戦士ゴブリンが連れ帰ってきたのがノンキであったため、リーダーゴブリンは目に見えて不機嫌となった。


「こんな役立たずを連れてきてどうするつもりだ!?」


リーダーゴブリンは槍の石突部分で戦士ゴブリンをポカリと叩く。ついでにノンキも叩かれた、理不尽。


相手方のゴブリンの群れから1匹、身体が他のゴブリンに比べても一回り大きなゴブリンが姿を現した。


『降伏シロ!お前達みたいな小さいヤツラが何匹集まろうとモこのダワクチャ族一の勇士であり族長デアル、ダワパッチャ様には敵ウマイ』


ボスボスと此方を嘲笑いながらリーダーゴブリン達の元へとドスドスと歩いてきたのだった。



ゴブゴブ、ボブボブ、ボスボス言うてます。


(システムコール)

最近ボブボブ語のゴブゴブ語への翻訳が、ノンキなりに成されたため「」で統一されました。


ノンキ視点で、ボスボス語に訛り等があるため

今話からは、『』で何となくそう聞こえてる感じを出しています。

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