第140話漂流ゴブリン
オイラはノンキ、迷子のゴブリン。
乗っていた船から放り出され漂流し、浜辺に行き着いたが此処が何処だか分からない。
そして現在槍を持つ多数のゴブリン達に包囲されている大ピンチ!!
ボブ!!ボボブ?ボブブー!!
囲むゴブリン達のリーダーであろうゴブリンがお怒りであるが上手く言葉が通じない、少しなまりがあるのだ。
『貴様!どうやって入った?此処、神聖な場所』
なんとか言葉の自分の知るゴブリン語に訳しながら
言葉のパターンを探る。
「オイラは、ノンキ!遭難した!敵意はない!」
ボブボブと数人のゴブリンが相談しだす。
1人は怪しいだとか、1人は殺してしまおうだとか
リーダー各のゴブリンはもし暴れだしたら直ぐに殺すから族長の元へと連れていくべきではないかと言っている。恐怖におののき両手を挙げて降伏のポーズをとるノンキ。
リーダー各のゴブリンに男の癖にダサい真似をと殴られた。あんまりだ。
両手両足を縛り、槍にくくりつけられる。狩りで捕まえた猪が同じようなかっこをしたのを見たことがあったノンキも自分が吊るされる側になろうとは思ってもいなかった。
浜辺でもないのに浜辺の様に緑の無い異様な場所
を歩く、着いたのは簡素な木の柵に囲まれ、動物の皮をはっただけのような簡素な家、以前いた場所よりもかなり文明レベルが低いのが見てとれた。
ドスンと乱暴に落とされると、其所にはしわくちゃのゴブリンが腰掛けている。
『珍しいのう、森に住むゴブリンがこんな所に何の用じゃ』と流暢なゴブリン語で話し掛けてきた。
どうやらこのしわくちゃなゴブリンが族長の様である
ノンキは経緯を説明する。
『それは難儀なことじゃの、あの湖の向こうからきなすったか。』
族長ゴブリンは、大きく頷いた。
どうやら、この辺一体は井戸が無く湖からしか水を調達出来ないため、戦士ゴブリンしか入れない聖域となっているのだ。
しかも聖域は周辺の別のゴブリン族から狙われている
そんな所にノンキが流れ着いた為、殺気だっていたのだ。納得したノンキであるが、敵意はないと何度も頭を下げた。
ノンキは族長の客人となった。船などの高度な文明も無ければ、筏を作る頑丈な木材さえ無いのだ。
あるの直ぐに折れる指ほど細い木と、サポンと呼ばれる、少し腹が膨れる青臭い果実の様なものだけだ。
此処ではサポンもご馳走と呼ばれる部類である。
(ゴブゴブ、ボブボブ言うてます)
森ゴブリン、肌緑色
砂漠ゴブリン、肌茶色ぽい
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