第134話ダンマス分身

ゴブ村を、出発し先ずはアルバイ辺境伯が

治める街へと向かった。お忍びであるため

アルバイには挨拶はしないでおく。


人口は五百以上千未満の小規模だが辺境とは言えど街は賑わい、アルバイが住む屋敷は立派なものだ。


常任の守備兵は100名前後。

人口の1割が平均の目安だとすると

少し多い位だが、ここは辺境である。

盗賊被害や魔物被害から領民を守るためには少ない位だ。しかし、緊急の際は農民として働く男達が徴兵され総勢では200名前後になる予定である。

ダンジョンマスターとしては周辺の勢力には敏感で調査済である。友好関係のアルバイも例外ではないのだ。まぁ今はそんなに関係ない話であった。


其はさておき、驢馬のウマについてだが。

馬屋に行くと残念ながら、馬を買うことが出来なかった。何でも貸し出し専門であるため

もっと大きな街か都市へと行かないと取引に応じてはくれないようだ。

驢馬のウマについても買い取り額がとても低い。宿の足しにもなりゃしない。


まだ荷物を積み歩かせる方が役に立った。

仕方がないので、1人と二匹の旅がこのまま続きそうである。



幾つもの検問を通り抜け街に立ち寄るが

オークラさんの情報は空振りだった。

まぁ、オークが街へと立ち寄れば大騒ぎになるであろう事を考えれば、人目の無い森を抜けるのが一番であるのだが。

情報と言えば、十年程前に近くの盗賊団が次々と壊滅した位で平和なものである。


半年以上も掛かったが、タイラーン王国の王都に着いた。

ここにはアルバイが商会長を勤めた商会とがあると聞いた。

王都ではルビーが奇異な眼にさらされたが

冒険者ギルドなるもので従魔登録をしルビーの腕に、従魔である証の腕輪をはめることによって問題は解決した。ついでに冒険者登録もしておいたが、大した問題は起こらなかったので割愛しておく。


商会本店は立派なもので、特製はんばーぐを食べた。DPで出すものよりも、やはり味では劣るものの、この世界特有の合挽き肉の配合かコレはコレでアリである。


半日の短い王都探索であったが楽しめた。

いっとき、視線を感じた事もあったが特に何事も無く日が暮れ門が閉まる前に王都を出発する。ルビーの食事の都合上、野営の方が楽な為である。

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