第115話ダンジョンマスター(分身)
海竜との話し合いの後に
一度作り始めたゴブ達の村へと帰る。
頼み事は簡単なものでは無さそうだ。
漁村へ行って沖での漁を止めてくれと言ってすんなり止めるとは思えない。
稼ぎにも関わるし、生きる術である。
海竜がいて危険だからと話したところで何処まで信じて貰えるものか、そもそも大型の海獣が出没するのであり、漁師達も、もとより命懸けだ。
昔起こった津波についても数百年は前であるため、当時を知る者など人種では長寿のエルフ族位であり、たかだか6、70年しか生きられない人間族にとってはそんな昔話は神話も同然である。人間は忘れる生き物だとエルフ達から揶揄されたりもする。
書物に書き残し何かの資料でもあったなら少しは可能性があっただろうが、国の王都か
主要都市にでもいかないとそんな高価な物など無い。
そもそも赴く使者がゴブリンであるのだ、
誰が信じるものか?と言うのが大勢の意見である。
アルバイに頼むのも良いが、これまたドラゴンが関わっているため、あまりにも心労に負担が掛かりそうなので止めておいた。
現在も王族と貴族との板挟み状態で毎日疲れた表情をしているらしい。胃にでも穴が開いたら困る。
本体との話し合いの結果、実力行使が手っ取り早いとの結論が出た。
危害を加える気は毛頭無いが、
海竜がいる付近の漁船を片っ端から拿捕しまくり、海竜近辺で取れた魚は没収の上、早々に漁村へとお帰り頂くのだ。
2つ目の頼み事についても、漁船の拿捕と平行して海上から調査。異様な魔力の元を探すつもりである。
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